不正咬合の症状

不正総合は、以下の6種類に分類することができます。
  
・叢生
歯並びの悪さからくる不正総合です。歯みがきが不充分になりやすいため、虫歯や歯周病を引き起こすことがあります。また、食べ物を効率的に噛むことができないため、消化不良や肥満などを招く場合もあります。
  
・空隙歯列弓
歯と歯の隙間が空いている状態のことで、いわゆる「すきっ歯」のことです。永久歯が生え揃う前の空隙歯列弓は問題ありませんが、成人になってからの場合は、言葉の発音に問題が出ることがあります。
  
・上顎前突
上の前歯が下の前歯に比べて極端に前に出ている状態のことです。こちらも発音に影響が出る場合や、咀嚼に問題が出る可能性があります。
  
・下顎前突
下顎が前に出ている状態で、いわゆる「受け口」のことです。噛む力が弱くなったり、言葉の発音が悪くなる場合があります。
  
・過蓋咬合
咬み合わせたときに重なりが通常より大きく、下の歯が隠れてしまう状態のことです。下あごの成長の妨げとなるほか、顎関節症の原因にもなります。
  
・交叉咬合
前歯は正しく咬み合っているのに奥歯が反対に噛み合っている状態です。あごの関節に負担がかかるため、痛みが出ます。

不正咬合の原因

・叢生
歯が大きすぎることが原因です。また、乳歯から永久歯に生え替わるタイミングがアンバランスだと、永久歯の生える位置が正しい場所からずれてしまい、発生します。
  
・空隙歯列弓
歯が小さすぎたり顎が大きすぎる場合に起きます。そのほか、舌の大きさや位置が一般的なケースから外れているときにも、空隙歯列弓になる可能性は高まります。
  
・上顎前突
先天性のものが多いですが、大きくなってからも指しゃぶりを続けたり、鼻づまりの影響で口を開けていることが多かったりすると、後天的にも発生します。
  
・下顎前突
先天性のものが多いですが、口唇裂や口蓋裂、内分泌疾患などによって後天的に発生することもあります。また、舌の位置や大きさが悪い場合にも原因となります。
  
・過蓋咬合
骨格の問題であるケースが多いです。歯周病や虫歯などで歯が抜けるとことで引き起こされる場合もあります。
  
・交叉咬合
先天性の場合もあれば後天性の場合もあります。原因がわからないこともあります。小さい頃から頬杖などの癖がついていると骨格形成に影響をもたらします。

不正咬合の治療法

・叢生
歯科矯正治療によって正しい噛み合わせを実現し、そのまま維持することが大切です。長期的に保定装置を装着するのが一般的な方法です。
  
・空隙歯列弓
乳歯のころの空隙歯列弓は治療の必要はありません。永久歯になってからは、歯科矯正治療が必要です。人工の歯をかぶせたり舌を小さくする手術をしたりしなければならない場合もあります。
  
・上顎前突
成長期では、ヘッドギアーを用いた矯正治療が用いられます。永久歯が生えそろってからは、マルチブラケット装置を使います。また、近年ではインプラントを利用することもあります。
  
・下顎前突
成長期では、チンキャップという装置により下あごの成長を抑制する方法があります。永久歯が生えそろってからは、マルチブラケット装置を用いた治療が基本です。
  
・過蓋咬合
矯正装置を用いる方法のほか、インプラントを使用する場合もあります。
  
・交叉咬合
矯正装置を用いることが基本です。タイプによっては外科手術が必要なこともあります。