腸重積症とは
腸重積症は、口から肛門までトンネル状に1本でつながっている腸管の一部が、肛門外側の腸内に入り込み重なってしまう病気です。2歳位までの乳児に多く見られ、緊急性が高くなっています。男児の発症割合が高く、特に生後4カ月から1歳までに起こりやすいのが特徴です。
腸重積症の症状
腸重積症は、腹痛や嘔吐、突然不機嫌になったり、顔が青くなるなどの症状が現れます。これらの症状は、患者全体の約80%に発症すると言われています。腹痛の激しい痛みは一時的に消え、またぶり返すので、子どもは泣いたり泣き止んだりを繰り返します。初めのうちは激しく泣くのですが、次第にぐったりとして、泣き方も弱くなってきます。嘔吐は、時間の経過とともに回数が増え、胆汁を含むようになります。また、粘液が混ざった粘血便が見られることもあり、患者全体の約60%にみられると言われています。
腸重積症の原因
腸重積症は、原因がわかっているのは全体の約5%とされ、腸管のポリープや、メッケル憩室、悪性リンパ腫、アレルギー性紫斑病などの基礎疾患が原因となることが知られています。原因がわかっている場合には、2歳を過ぎてから発症する場合が多くみられます。残りの約95%は2歳までに起こることが多いのですが、原因不明とされています。しかし、アデノウイルス感染との関連があるのではないかと考えられており、腸管にウイルスが感染することにより、腸蠕動の異常が起こることが原因との考えが有力とされています。
腸重積症の治療法
腸重積症は、発症後約12時間程度は比較的、状態が悪くないことが多く、その場合は、治療を兼ねた注腸造影検査を行い、整復を試みます。この治療方法を注腸法と言います。X腺と造影剤を用いて行うのが一般的ですが、超音波で整復を行う病院もあります。注腸法が行えない場合には、手術が行われます。手術が対象になるのは、血行障害が進んでいて、注腸法を行うと腸が破れてしまう恐れのある場合や、整復しにくい場所に腸管が入り込んでいる場合、腹膜炎を起こしている場合などです。
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