心室中隔欠損の症状

心室中隔欠損症の症状は、孔の位置や大きさなどによって異なります。
心室中隔欠損症では、心雑音が認められ、乳児健診などで発見されることも多い疾患です。欠損孔が小さい場合の経過は良好で、ほとんどの場合は無症状で、成長や発達も正常です。
  
欠損孔が比較的大きい場合は、生後1か月頃までに、呼吸が短く荒い、ミルクを飲む量が減り体重が増えない、汗をかきやすい、哺乳後の呼吸が荒くなるなどの症状があらわれます。また、気管支炎や肺炎などを繰り返す場合もあります。

心室中隔欠損の原因

心室中隔欠損症などの先天性心疾患は、遺伝性や家族性はほとんど認められていません。胎児の心臓が作られる課程で何らかの異常が生じ、心臓の形成が不完全になってしまうことにより起こります。
  
原因ははっきりと分からない場合がほとんどですが、遺伝子異常や環境因子など、原因となる因子がいくつか重なりあうことにより病気が起こると考えられています。原因となる因子には、染色体異常や単一遺伝子の疾患、風疹など先天性のウイルス疾患、母体の糖尿病や貧血などの疾患、飲酒やタバコの影響、薬の影響などがあることがわかっています。

心室中隔欠損の治療法

心室中隔欠損症などの先天性心疾患は、原因となる環境因子を排除することで、発生頻度を減らせる可能性があります。
  
妊娠前に風疹の抗体検査をおこない、必要なら予防接種を受けたり、妊娠中の飲酒・喫煙・薬剤の服用などに注意をしたりする、貧血の改善をおこなうなどの方法が有効です。心室中隔欠損症が見つかった場合は、感染性心内膜炎に感染しやすくなるため、抜歯や手術の際など、抗生物質の服用などで感染予防が必要な場合もあります。
治療では、孔が大きく血行流出が高い場合や位置により心臓や肺に負担が生じている場合や、他の合併心疾患がある場合は、手術をおこないます。