腰椎分離症/分離すべり症とは
腰椎の椎間板の前方部分にある「椎体」と、椎間関節の後方部分にある「椎弓」が離れている状態のことを腰椎分離症、なかでも椎体が前方にずれてくるのを分離すべり症といいます。両者が共に腰椎の変形であることから、腰椎分離症/分離すべり症と総称して呼ばれることの多い疾患です。
腰椎分離症/分離すべり症の症状
腰椎分離症の主な症状は腰痛です。突然激しい痛みに襲われるのではなく、徐々に進行し、違和感を覚えるところから始まります。やがて後ろに反らせると痛みを感じたり、長時間立っているといったことが辛くなったりする慢性痛へと変わっていきます。腰椎が滑る際に、神経を圧迫することで生じる坐骨神経痛も発症する場合もあります。油断をしていると、脊柱狭窄症を引き起こし、歩行が困難になる場合があるため注意が必要です。
腰痛は10~15歳位から生じますが、青少年から高齢者まで幅広い層で腰痛や下肢痛、しびれが認められます。
腰椎分離症/分離すべり症の原因
腰椎分離症の多くは、体が柔らかい小学校高学年から中学生位に腰の回旋やジャンプなどをすることにより、腰椎の後方部分に亀裂が入ることで生じます。一度に起こるのではなく、運動や部活など繰り返し腰をそらす動作によって徐々に進行します。スポーツは原因の一つであり、体質的なことも起因すると考えられています。また、加齢により靭帯組織や椎間板の劣化し、過剰に負荷がかかることで腰椎分離症を引き起こすこともあります。
腰椎分離症は、成人では5%程度、腰を酷使する立場にあるスポーツ選手では約40%の人に症状が現れています。分離症が原因となり、徐々に椎体が前方にずれてくるすべり症に進行していくケースもあります。
腰椎分離症/分離すべり症の治療法
腰椎分離症は、青少年のスポーツ活動がきっかけとなることもあり、練習などで負担をかけ過ぎるのは避けることが大切です。また、同じ姿勢を続けたり、長時間の立ち仕事や重労働のあとに痛みが強くなるため、休憩をはさむことが大切です。
また、コルセットが症状の緩和に有効なこともあります。
また、腰痛に効果的なのは、腰を支えている腹筋と背筋を強化することです。
治療としては、コルセット着用で分離部の骨癒合を行ったり、疼痛に対して消炎鎮痛薬や筋弛緩薬などを用います。また、理学療法や、神経ブロック療法などを行うこともあります。程度によっては、神経の圧迫を除去したり固定をする手術を行います。
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