症状

鼓膜炎のうち、水泡性鼓膜炎になると強い耳の痛みが起こります。他にも、耳の奥がつまったような不快感などの症状が特徴的です。中耳炎や外耳道炎を合併している場合には、発熱や難聴を起こすこともあります。耳鳴りの症状が出た場合は感音難聴の可能性が考えられるため、すぐに医療機関で検査を受けることが重要です。

一方、肉芽性鼓膜炎では痛みの症状はあまり出ませんが、慢性的で治りにくい耳だれが続きます。また、肉芽などの影響によって鼓膜が肥厚化した場合には、耳がふさがったような感じ、耳鳴り、難聴などの症状もみられます。

原因

水泡性鼓膜炎になる原因はまだ解明されていませんが、インフルエンザなどのウイルスや細菌による感染が原因であると考えられています。耳かきのしすぎなどが原因で鼓膜に傷がつくことで、細菌が感染して炎症が起こり鼓膜炎になってしまう場合もあります。マイコプラズマという微生物によって起こる中耳炎から派生して発症するケースもみられます。

水泡性鼓膜炎の診断は耳鏡によって行い、比較的簡単に鼓膜の表面にできた水疱を確認することができます。鼓膜表面にできる水泡は、血性や漿液性によるもので形成されています。肉芽性鼓膜炎の原因もはっきりと分かっていませんが、細菌感染が主な原因であるとされています。

治療法

鼓膜炎の予防法は解明されていません。いったん発症した場合は、耳に水が入らないように気をつけることが重要です。

水泡性鼓膜炎になると、まず抗生剤や鎮痛薬が投与されます。耳の痛みがひどい場合には、水泡を切開することもあります。感音難聴が起こった場合は、副腎皮質ホルモン剤、循環改善薬などで治療をします。

肉芽性鼓膜炎では、耳だれの細菌検査を行ってその菌に有効な抗生物を点耳します。中耳疾患の可能性がある場合には、側頭部のCT検査も行います。