機能性難聴とは
機能性難聴とは、明らかに聴力の器官に器質的障害がないにもかかわらず、聴力検査で難聴を示す結果が認められることをいいます。こうした結果は意識的に聴力がないようにごまかす「詐聴」が行われる場合もありますが、多くは心因性による無意識の結果です。
機能性難聴の症状
機能性難聴の症状は、機能に問題なく日常会話は支障なく行えるのにも関わらず、自分の意思が関係する純音聴力検査の結果では難聴を示す結果となります。多くの場合自覚症状はなく日常生活で指摘されることもありません。ある時急激に両耳同時に難聴を示す結果となり、中には視野の異常や視力の低下を伴う場合もあります。多くは学校などの聴力検査で見つかり、特に学齢期の女子に多く見られます。
機能性難聴では音を聴いてボタンを押す純音聴力検査では難聴の結果が出ますが、耳の疾患もなく脳波聴力検査やレントゲン、CTも正常で、日常会話も正常に行えるのが特徴です。
機能性難聴の原因
機能性難聴の原因は基本的に精神的ストレスによると考えられています。学校や家庭などの環境における誘因となるストレスに加えて、本人の性格的な内因が絡み合う事でストレスからの逃避が難聴という形になって現れます。一方で原因として思い当たるストレスが全くない場合もあります。そうした原因不明の感音性難聴の場合は経過観察のみを行うのが妥当です。
機能性難聴の治療法
機能性難聴は予防できるものではありませんが、発症に気付いたら適切に対応することが大切です。まずは器質的な問題がないかどうかを正確に検査し、その上で患者本人や家族、学校など周囲も含めて状態をきちんと理解するようにします。原因となるストレスがわかれば取り除くための働きかけをし、必要であればカウンセリングなどを受けます。耳の治療や投薬の必要はありませんが、定期的な聴力検査を受けることが大切です。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください