ウイルス性急性胃腸炎/冬季下痢症の症状

ウイルス性急性胃腸炎の症状の始まりは突然の嘔吐であることが多いです。激しい嘔吐に続き水様性の下痢となります。便は白っぽく酸臭を帯びていますが通常血液は混じっていません。ひどいときは1日に10回以上続くこともあり、軽い発熱を伴うこともあります。けいれんなどを起こすこともあります。

嘔吐は1~2日、下痢は5~6日でほぼ治まることが多いですが、その間は水分補給に努め脱水症状に注意することが大切です。脱水症状や合併症によりまれに意識障害などの重症例に陥ることもあります。皮膚や唇が乾燥していないか、目が落ちくぼんでいないかなどよく観察することが肝要です。

ウイルス性急性胃腸炎/冬季下痢症の原因

ウイルス性急性胃腸炎の原因はノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルス感染です。ノロウイルスは主に魚介類、ロタウイルスは主に動物の腸の中にいるウイルスですが、これらが調理の過程などで食べ物に付着することによや感染者の排泄物などから感染します。ノロもロタも胃酸で死滅することなく増殖し、腸内で炎症を起こします。

嘔吐や下痢の症状はウイルスを排出するためでもあり患者の便や吐しゃ物にはウイルスが含まれています。ノロもロタも感染力が強く、便や吐瀉物からウイルスが空気中に舞い、それを吸い込んだために2次感染することも流行の原因となっています。

ウイルス性急性胃腸炎/冬季下痢症の治療法

ウイルス性急性胃腸炎は経口感染から発症します。そのため予防するためには石鹸と流水を使用した手洗いとうがいが推奨されます。特に魚介類や肉類を調理したときにはしっかり手洗いをし、まな板、包丁も熱湯消毒し、食品の加熱も十分行います。

下痢便や吐しゃ物を処理する時には直接触らないように注意し手袋、マスクを着用します。処理物は密封します。嘔吐した場所は飛沫を意識し、広い範囲を消毒することが必要です。着ていた衣類も消毒します。