漏斗胸の症状

漏斗胸の症状で特徴的なのは、胸全面のくぼみです。低年齢で発症した場合、成長の過程の中で胸の形が変化していくため、自然と治る場合もあります。10歳を過ぎてから変形が進行する場合もあり、片側のみがくぼむことで、胸の形が左右非対称になることが多いです。また、成人してからくぼみが目立たなくなるケースもあります。
胸のくぼみが原因で、併発する症状もあります。幼児期には、食が細くなったり、食後に吐いたりする場合があります。
また、気管支が圧迫されることによって、風邪を引くと、喘息や肺炎を併発することもあり、学童期には、運動の際に疲れやすく、思春期以降には猫背になる傾向にあります。

漏斗胸の原因

漏斗胸の患者は、肋骨の形成異常が原因で、肋軟骨が短くなっていると考えられています。そのため、肋骨や肋軟骨が人より柔らかかったり細かったりし、支持力が弱いため、息を吸うことで前側の胸部が少しずつへこんでくるのだとされています。
また、扁桃腺やアデノイドが大きいことも関連しています。これらが大きいことで、空気の通りが悪くなるため、息を吸うとき大きな力を必要としてみぞおちに負荷がかかり、へこんでいくのです。そのため、子どもの患者の多くは、入眠時にいびきをかきます。

漏斗胸の治療法

漏斗胸の主な治療方法は、手術です。CT検査によって、へこみが高度であると診断された場合は、手術を行います。6歳以下で手術を受けると、術後に肋骨の形が不整形になる問題があるため、手術時期については担当医師との相談が必要です。
ただし、中学生以上の年齢になってから手術を受けると、胸が左右非対称に変形したり、運動や学校生活に支障をきたしたりする問題もあります。
へこみの程度によっては、吸盤による陰圧で胸壁をひっぱりあげる吸引法や、胸をはって猫背を治す姿勢療法もあります。