心臓神経症の症状

心臓神経症では、左胸部痛、胸部不快感、動悸、息切れ、めまいなどの循環器症状が起こります。他に、不安、緊張、不眠、抑うつなどの精神症状が起こります。
  
軽作業時などに短時間の胸部痛が起こる狭心症に対し、心臓神経症は運動や作業がきっかけではないこと、鈍痛を長時間感じること、手で圧迫すると胸痛が増すことなどが特徴です。その他に手足の痺れや耳鳴り、頭痛などの症状を示したり、過度の不安から過換気症候群などの発作が起きたりすることもあります。また、自律神経失調症の不安発作に類似しており、安静時に症状が現れても睡眠時には発生しないのも特徴です。

心臓神経症の原因

心臓神経症は、ストレスや疲労、環境の変化、誤った心臓病の知識などをきっかけとする精神的な不安や緊張の高まり、憂鬱感などが原因で発症するとされています。神経質な性格の人や、環境の変化で自分の身体状況を気に掛ける時間ができた人、身近な人が心臓病で亡くなった人など、心臓病に対する不安を抱いている人によくみられます。
  
ストレスや不安は交感神経を刺激し、心筋収縮力の増強や心拍数の増加などを促しますが、長時間のストレスにさらされたときなどは自律神経のバランスが崩れて興奮状態が治まらず、心臓に過度の負担がかかった結果、動悸や胸痛、呼吸困難、めまいなどの身体症状が現れると考えられています。

心臓神経症の治療法

心臓神経症の症状がある場合、心電図や心臓超音波で心臓そのものに異常がないことを確認することが重要です。

心臓神経症の治療/予防には、睡眠や休息を十分にとり、不安や緊張感を和らげることが大事です。気分転換や趣味を楽しむのもストレス解消になります。また、発症した際には医師に症状のメカニズムを納得いくまで説明してもらい、発症原因に対する助言を得るのも効果的です。
  
家族など周囲の人は、「どこも悪くない」と否定したり「頑張れ」などと無闇に励ましたりせず、本人の苦痛を受容する姿勢を見せることで不安感が軽減し、症状が落ち着きます。