機能性ディスペプシアとは胃カメラで食道胃十二指腸に何の異常もないのに色々な症状を起こす病気です。ストレスなどによって胃腸の動きがおかしくなる、あるいは内臓の知覚が過敏になるなど、その症状は多彩。

そんな機能性ディスペシアについて、医師に詳しく伺いました。

病気と同様の症状を繰り返す

患者さんの多くは、次のような症状を訴えます。

・みぞおちに間欠的な痛みが起きたる
・胸焼け
・食後の胃もたれ
・お腹が張る
・吐き気がある
・胸がつかえる
・お腹がすぐにいっぱいになる

…など

これらの症状は市販薬では効果があまりなく半年くらい続き、そのため食事が十分に取れなくなったりします。

ピロリ菌による慢性胃炎と酷似

いっぽうで、ピロリ菌感染による慢性胃炎なども機能性ディスペシアと同様の症状を引き起こすといわれています。胃カメラによる所見は胃の粘膜に萎縮性胃炎が認められる点です。そのため、機能性ディスペシアとの区別は容易ではありますが、機能性ディスペシアも慢性胃炎と診断されることがあるため、紛らわしいと言えます。

しかし、ピロリ菌による慢性胃炎は、ピロリ菌が原因ですので、胃酸を抑える薬を服用しつつ抗生剤でピロリ菌を除菌すれば症状は軽快することが多いのでこの点でも区別することができます。

過敏性腸症候群もストレスが原因

機能性ディスペプシアと同じようにストレスによって消化管の運動障害を起こす病気として過敏性腸症候群という病気があります。この病気は機能性ディスペプシアと違い症状が下痢などの便通異常と下腹部に多い痛みや腹満です。原因は機能性ディスペプシアと同じストレスですが、治療に使う薬は機能性ディスペプシアとは異なります。いずれも治りにくい病気ですので、専用の薬による根気強い治療が必要です。

治療のポイントはストレスとの向き合い方

機能性ディスペプシアの症状は原則的にストレスがなくならなければ良くなりません。ストレスの多い現代社会においてはストレスをなくすことは難しいので、いかにしてストレスを解消するかが大切になります。しかしながら、何がストレスかを本人が気づいていないこともあり、厄介です。とはいえ胃カメラでは異常がいので、一般的な胃腸薬では症状は良くなりません。そのため、精神的な問題として精神科や心療内科を紹介され、うつ病と誤診され、うつ病の薬を処方されてしまうことも少なくないでしょう。

症状を抑えるには正しい理解が必要

最近機能性ディスペプシアの症状を抑える薬が使えるようになりましたので、お話しした症状がある時、まずは消化器内科を受診して相談されるのが良いでしょう。またこの病気への周囲の理解も必要ですので、胃カメラなどの検査結果に異常がないからといって症状は精神的な問題だと決めつけないで適切な治療を受けるようにすすめて下さい。

薬以外に機能性ディスペプシアを改善するには、規則正しい生活を心がけることが大切です。睡眠時間を十分に取り、余暇をスポーツなどで気分転換に使ってストレスを解消させ、バランスの取れた食事を取って下さい。暴飲暴食や早食い、辛い食べ物などの刺激物を避け、深酒も避けて下さい。禁煙することも有効です。

医師からのアドバイス

機能性ディスペプシアは一時的に薬を飲めば治るという病気ではなく、慢性的に続く病気です。胃カメラなどで食道胃十二指腸に異常がないことを確認する必要がありますが、異常がなければこの病気を疑って薬を開始してみる必要がある病気です。症状から機能性ディスペプシアが疑われる時は、早めに消化器内科を受診して相談されるのが良いでしょう。

(監修:Doctors Me 医師)