経血の粘度はなぜ変わる?


子宮内膜の厚さ、面積によって経血の量が変わります。

もともと経血の成分である子宮内膜は固まり状であり、それが酵素の働きで分解されてさらさらになり、狭い子宮口から押し出されます。

量が多いと、血液を溶かす酵素が働ききれずに固まりのまま出てきます。

子宮内膜の厚さ


子宮内膜の厚みを決めるのはホルモンです。エストロゲンやプロゲステロンが多いと子宮内膜は厚くなります。

子宮内膜の面積


子宮筋腫で子宮の内腔が飛び出したようになっていると子宮内膜の面積が広くなります。

流産の場合


妊娠したものの気づかずに、初期で流産する場合も考えられ、その場合も子宮内膜は厚くなり、固まり状の絨毛組織が経血とともに出てくることがあります。

レバー状のドロっとした経血の原因


血液の成分の違い、ホルモンバランスの乱れ、冷えなどによって子宮の血行が悪くなっている、などが原因ではないかといわれています。

しかし、経血自体は、尿や便とは異なり、そのものを医師に見せたり、量を測ったり、採取して検査に用いたりすることはあまりなく、比較の機会が少ないものです。

レバー状の経血から予測できる病気


流産
切迫流産
子宮筋腫
子宮内膜症
・子宮腺筋症
など

レバー状の経血の対処法


月経周期の乱れ、痛み、立ちくらみなど、いつもの月経と異なるところがないかを思い返してみてください。

性行為をしており、月経予定日より遅れて来て、基礎体温が高く、妊娠検査薬が陽性である場合、流産切迫流産の可能性があります。
レバー状の固まりが出ても妊娠を無事続けられることもあります。

妊娠が続けられず流産となっている場合、子宮内をきれいに掃除する必要があることもありますので、どちらの場合でも受診が必要です。

気をつけたほうが良い経血の状態


過多月経


経血の量が多く、夜用ナプキンを付けていても1時間で交換する必要があるような場合は、過多月経の可能性があります。

月経が短い


逆に月経が3日で終わってしまうようになったような場合も、ホルモンが十分出ていない可能性があり、何らかの異常があるかもしれません。

色が薄く鮮やかな経血


色が薄く鮮やかな場合は貧血の可能性もありますが、色が薄いから即貧血という診断に結びつくものでもありません。東洋医学(中医学)では、経血の色も体質についての診断の材料となります。

茶色~黒っぽい経血


経血の色について、色を直接医師に見せて判断の根拠とすることはないため、「何色だから病気だ」というようなはっきりした決まりはありません。

しかし、月経の終わりかけに茶色~黒っぽい色になるのは、子宮内や膣内で時間が経って酸化した経血だからと考えられ、異常ではありません。

最後に医師から一言


他人の経血を見る機会はないでしょうし、自分の月経が正常なのかどうかは判断に迷うと思います。

子宮の形やお腹への力の入り方によっても血の出方は異なりますし、月経のたびにホルモン状態が異なるのも異常とは言えない場合もあります。

受診される場合は、基礎体温表があれば大変参考になります。

(監修:Doctors Me 医師)