滲出性中耳炎とは
滲出性中耳炎は鼓膜に穿孔がなく、中耳腔に浸出液があるため難聴の原因となるものの、発熱や耳の痛みなどの急性炎症所見がないもののことを指します。中耳と鼻をつなぐ耳管という管がうまく開かないことなどにより、滲出液とよばれる液体が中耳に溜まってしまいます。排除されずに液が溜まっていると、鼓膜や耳小骨などを破壊し、難聴を引き起こします。
滲出性中耳炎の症状
滲出性中耳炎は急性中耳炎と異なり熱や強い痛みを感じないのが特徴です。難聴が主な症状ですが軽い難聴の場合は気づきづらいこともあります。子どもは症状を上手く伝えられないことがあるので、親が気にかけてあげる必要があります。よく耳に手をやったりテレビを大音量で聞いたり、呼んでも気づかない場合は滲出性中耳炎の可能性があります。自覚症状は、例えるなら飛行機に乗った時の耳がつまったような感覚や、耳栓をしている時の状態に似ています。聞こえづらい状態を放置すると、手術が必要な癒着性中耳炎や真珠膿性中耳炎といった中耳炎に悪化することもあるため注意が必要です。
滲出性中耳炎の原因
滲出性中耳炎の原因で一番多いのは、子どもの場合急性中耳炎が治りきらずに滲出性中耳炎になるケースです。通常中耳炎の膿は耳から鼻に通っている耳管をとおって、のどまで到達し排出されます。しかしアレルギー性鼻炎を患っていたり、アデノイドが肥大したりする場合は耳管の機能が上手く働かなくなり滲出性中耳炎になりやすくなるのです。中耳炎が10歳ぐらいまでの子どもにかかりやすい理由は、子どもの鼻、のど、耳の機能がまだ不完全で炎症が起きやすいからです。10歳以降は耳管機能がしっかりしてくるので減少傾向にあります。大人の滲出性中耳炎になる原因はさまざまですが、耳管の機能低下や加齢によるものが多いです。
滲出性中耳炎の治療法
滲出性中耳炎は風邪による鼻やのどの炎症が長引いたときにかかりやすいため、風邪を未然に防ぐように健康管理することが大切です。鼻水や咳があれば早めに耳鼻科などを受診して治療することで防ぐことができます。また、食生活の改善も有効です。脂っこい食べ物や甘いものの食べすぎなど偏った食事をせずにバランスのとれた食事を取り免疫力を高めるように努めましょう。
一度滲出性中耳炎にかかってしまうと正常な鼓膜の状態に戻るまで時間を要するため、再発することも少なくありません。日ごろからの心がけが重要です。
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