医師監修

クラミジア感染症とは

性器クラミジア感染症は、クラミジアトラコマティスという病原体の感染によって起こる性感染症で、男性では尿道炎、女性では子宮頚管炎、卵管炎などを起こします。淋菌感染症、性器ヘルペス感染症、尖圭コンジローマと並び頻度の高い性感染症で、すべての性感染症の中で最も頻度の高い感染症です。日本では性交経験のある若者の10〜15人に一人は性器クラミジア感染症に感染しているといわれ、感染者数は100万人以上と推計されています。性器クラミジア感染症の患者の60%が、10代から20代の若者です。

クラミジア感染症の症状

感染すると、男性では排尿痛や尿道不快感、かゆみ、尿道からの軽度の膿といった症状がでることが多く、尿道炎や精巣上体炎、前立腺炎を起こします。
女性では無症状のことが多いものの、子宮頚管炎に始まり、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤内炎症性疾患へと発展します。
  
卵管への感染は、瘢痕を形成するために精子や受精卵の通過障害を起こし、不妊や子宮外妊娠の原因となります。また、性器クラミジアに感染している妊婦では、感染した産道を通過するときに新生児が感染することがあり、新生児肺炎や角結膜炎を起こします。
感染者の多くが無症状のことが多いものの、不妊につながる性感染症として注意が必要です。

クラミジア感染症の原因

原因となるクラミジアは細菌よりも小型で細胞に寄生することでしか生存できない病原体です。クラミジアは栄養となるATPを産生するための酵素をもたないため、複製にはホストの細胞の代謝機構を利用しなければなりません。
  
クラミジアの生活環としては2種の形態が知られており、細胞外で生存するときは代謝が不活発な状態(基本小体)で過ごし、ホスト細胞内にエンドサイトーシスによって取り込まれると代謝が活発な状態(網状体)に変化します。網状体になるとホスト細胞の代謝機構を勝手に利用しエネルギーを得て多数回分裂するようになります。ホスト細胞が死滅することで炎症反応が引き起こされます。

クラミジア感染症の治療法

性器クラミジア感染症の予防としてはコンドームの正しい使用が有効です。コンドームは性行為の最初から使用するようにし最後まで外さないのが原則です。コンドームの使用はクラミジアだけではなく淋菌感染症やヘルペスウイルス感染症、梅毒、HIV、尖圭コンジローマを含むほぼすべての性感染症の予防に効果的です。
  
クラミジアは口腔・咽頭粘膜を介して感染することがあるため、オーラルセックスにも注意が必要です。特に性器や口腔の粘膜に裂傷がある場合は感染の確率が上がります。
  
また性器クラミジアの患者は健常者と比べてHIV感染のリスクが飛躍的に上がることが知られています。

クラミジア感染が分かれば抗菌薬で治療し、また感染を繰り返さないよう、パートナーも同時に治療することが大切になります。
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