A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の症状

A群溶血性レンサ球菌による感染症の症状として最も多いのが咽頭炎や扁桃炎です。この中で最も患者数が多いのが小児で、4〜9歳の小児に最も多く発生し、小児の代表的な病気のひとつといえます。38度以上の高熱、咽頭痛または扁桃痛が強く、おう吐や腹痛を伴う場合もあります。

以前は、秋から冬にかけて流行すると言われていましたが、最近では1年を通じ発生が認められるようになりました。また、A群溶血性レンサ球菌は、皮膚の炎症やリウマチ熱、急性糸球体腎炎、劇症型A群レンサ球菌感染症などいろいろな病気を引き起こします。また、猩紅熱といわれる全身症状があらわれる場合もあります。咽頭炎が治った後、数週間たってこのような症状がでる場合もありますので、しばらくは健康に留意する必要があります。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の原因

A群溶血性レンサ球菌は、気管支炎や化膿性の皮膚感染症などの原因菌としてよくみられるグラム陽性菌で、菌の侵入部位や組織によってさまざまな症状を引き起こします。代表的な症状がA群溶血性レンサ球菌咽頭炎や扁桃炎で、特に小児に多くの患者に症状がみられます。

また、患者との接触を介して広がるため、人との接触の機会が増加するときにおこりやすく、学校家庭などでの集団感染も多く見られます。また、一度かかったら免疫ができるのではなく、繰り返し発症する場合が多く見られますので、小児に多くみられる病気ですが、大人も感染することがありますので、家族に発症する人がでた場合は、家族も注意が必要です。集団生活による接触感染、咳やくしゃみなどで飛沫感染したり、感染した食事などによって感染が広がる場合もありますので、とくに気をつけたいものです。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の予防/治療法

A群溶血性レンサ球菌に感染しないようにするには、感染した患者と接触しないようにするのが一番です。主に患者の鼻咽頭の分泌物によって飛沫感染しますので、患者との濃厚な接触をさけ、一般的な予防法である手洗い、うがい、マスクをきちんとするように心がけましょう。特に家族などに患者がでた場合は注意が必要です。

また、A群溶血性レンサ球菌は、比較的抗生物質による耐性菌が少ない菌ですので、症状を和らげる薬とともに抗生物質をきちんと服用すれば症状は2〜3日くらいで、しだいにおさまっていくでしょう。菌を確実に退治し、リウマチ熱や、急性糸球体腎炎といった合併症をおこさないようにするために、咽頭痛や発熱などの症状がおさまってきても自己判断で薬の服用を中止せずに、医師から処方された薬は最後まできちんと服用するようにしましょう。