腎臓結石の症状

腎臓結石は、無症状の場合が多いです。痛みはあまりありませんが、腰背部に重苦しさや、鈍痛が出ることもあります。血尿が出ることもあり、尿中に細かい結石が排出されます。

腎臓でできた結石が尿管に入ると、脇腹に差し込むような突然の激しい痛みや、冷や汗を生じます。結石を排出するために、尿管が激しく攣縮することが原因と考えられています。その場合、嘔吐を伴ったり、下腹部や大腿部、会陰に痛みが走ることもあります。

結石が小さい場合は、尿に流されて結石が尿管を降りてくるので、それに伴って痛みも徐々に下のほうに移動します。膀胱の近くまで降りてくると、尿が出にくかったり、残尿感をきたしたりします。

結石が膀胱まで流れ落ちると、大抵は排尿時に一緒に出てきます。しかし、少し大きな結石だと、腎盂や尿管の途中で止まってしまうことがあります。そのまま放置して、結石が詰まったまま尿が流れない状態が続くと、腎臓の機能が悪くなってしまいます。

症状が軽いからと放置すると、腎臓の機能が失われてしまう可能性があります。また、腎臓結石に感染症が加わると、発熱など、炎症症状が現れます。

腎臓結石の原因

腎臓結石は原因不明であることのほか、遺伝性や原因となる病気によって結石ができる場合があります。

尿路結石を生じやすい病態としては、以下に挙げる内分泌・代謝異常です。
・原発性副甲状腺機能亢進症
・尿細管性アシドーシス
・クッシング症候群
・ミルクアルカリ症候群
・ビタミンD中毒
・シュウ酸代謝異常
・尿酸代謝異常(痛風)
・シスチン代謝異常(シスチン尿症)など

そのほかに尿路感染や尿流停滞、長期間の寝たきり、偏った食事や過度の飲酒、塩分の摂りすぎも結石ができる原因となります。また、脱水は結石を生じやすくさせるリスクです。特に水分の不足しやすい夏場は、注意が必要です。

腎臓結石の予防

腎臓結石は、食生活やストレス、体質などが関係していると考えられています。

●食生活の改善
食事は、乳製品、シュウ酸塩の含有量が多い食品、ビタミンCを多量に摂取しないようにしましょう。塩分の過剰摂取は控え、薄味の食事を意識してください。痛風も腎臓結石の原因のひとつのため、過度の飲酒は控え、1日1合程度を目安にします。

一方で、食物繊維が豊富な野菜や海草などは、積極的に摂るようにしましょう。

●水分補給を意識
脱水にならないよう注意することも大切です。米国泌尿器疾患財団によると、高温下で多量に発汗し、不十分な水分供給によって脱水が引き起こされると、尿内物質の濃度が高くなり、結晶化して結石になると考えられています。1日2L程度を目安に摂取し、特に夏場はこまめに水分を摂るようにしましょう。

また、腎臓結石は夜に作られるため、夕食は量を少なめにして水分を多く摂るよう心がけます。就寝までの時間をあけて、排尿してから寝ることも大切です。