膀胱がんの症状

膀胱がんに多い症状は、無症候性肉眼的血尿です。
無症候性肉眼的血尿と判断された人の13~28%の人が膀胱がんと診断されています。膀胱がんを疑う初期症状の一つで、頻尿や残尿感などの膀胱刺激症状を感じる人もいます。

表在性膀胱がんの場合は、内腔にカリフラワーのように癌が大きくなります。膀胱壁への浸透はないため、命にかかわるほどの疾患ではありません。膀胱がんになった人の約7割がこの表在性膀胱がんです。再発を繰り返す特徴があるため、注意が必要です。
浸透性膀胱がんの場合は、膀胱壁に浸透しているため、リンパ節や他の臓器に早い段階で転移しやすい上、進行も早いです。

膀胱がんの原因

膀胱がんの決定的な原因は喫煙で、膀胱がん患者のうち男性は50%以上、女性は約30%が喫煙によって発症したとされています。また、ナフチルアミンやアミノビフェニルなどの職業性暴露も、発症のリスク要因とされています。発展途上国では、ビルハルツ住血吸虫症が主な発症要因です。

なお、非喫煙者でも、カフェインを過剰に摂取すると、発症リスクが高まることが確認されています。特にコーヒーの摂取が膀胱がんリスクを高めています。カフェインの摂取によって細胞周期やアポトーシスが乱れることで、発がんを促します。非喫煙者の方が、喫煙者に比べて尿中のカフェインが多く、カフェインの消失がゆっくりなことが確認されています。

膀胱がんの治療法

喫煙者は非喫煙者の2~4倍膀胱がんが発生する可能性が高いため、禁煙が予防につながります。

治療法は外科的治療や放射線療法、化学療法や膀胱内注入療法があります。
外科的治療は、経尿道的膀胱腫瘍切除術や膀胱全摘除術です。膀胱の摘出後には、膀胱の代わりを再建する施術を行います。
放射線療法は放射線によってがん細胞を死滅させ、がんを治したりがんによる症状をコントロールしたりする効果があります。
化学療法には2種類以上の抗がん剤を使用します。膀胱内注入療法には、BCGや抗がん剤を膀胱内に注入します。