クローン病とは
クローン病は、特定疾患に指定されている、原因不明の炎症性腸疾患です。小腸や大腸、肛門周囲に多く見られる炎症が特徴となっています。関節炎や胆管炎など合併症を伴うこともあります。以前は腸管に負担をかけない食事を中心とした治療がされていましたが、近年分子標的薬による治療が広まってきています。
クローン病の症状
クローン病の症状は、腹痛と下痢が自覚症状として現れます。発熱や体重減少、肛門部の異常などが見られます。炎症が進むと、腸内の狭窄(腸が狭くなる)や穿孔(腸に穴があく)、膿瘍(膿が溜まる)を引き起こします。さらには、腸閉塞などの重篤な症状を生じる場合もあります。炎症を起こしている部位によって、「小腸型」「大腸型」「小腸・大腸型」に分類されています。もっとも多いのは「小腸・大腸型」です。合併症としては、関節炎や皮膚症状、眼球の異常、原発性硬化胆管炎などがあります。
潰瘍性大腸炎と症状が似通っており、血液検査や糞便検査、消化器造影検査、内視鏡検査で診断します。
クローン病の原因
クローン病の原因は、はっきりと解明されていません。原因についての研究段階では、遺伝的な素因による免疫系の異常から引き起こされていると考えられます。また、近年において若年層の発症が増えていることから、欧米式の食生活の変化による発症も原因となっている可能性も指摘されています。動物性たんぱく質や脂質の多い食生活が、患者数を増大させていると考えられます。日本においては、患者数が増加している傾向にあり、注意が必要です。特に若年層の発症が多く、腸や肛門の異常を感じたら、早めに消化器科の専門医の診断を受けることが大切です。
クローン病の治療法
クローン病は、原因が解明されていないため、有効的な予防法は確立されていません。食生活が原因ではないかと考えられるので、普段の食生活に気を付けることが重要となります。発症した場合は、症状を落ち着ける溶解が治療の目的となります。完治はできない炎症腸疾患のため、食事療法やステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤などの薬物療法で炎症をできる限り抑えます。慢性的になる場合が多く、症状が悪くなったり、良くなったりを繰り返します。腸の炎症を抑える効果が期待できる食事療法は、医師の指導のもと、根気よく続けることが重要です。
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