慢性腎盂腎炎の症状

慢性腎盂腎炎は、急性腎盂腎炎を繰り返して起こる場合、急性腎盂腎炎から慢性化する場合、最初から慢性の状態になる場合があります。急性と慢性では症状が異なります。急性腎盂腎炎では、悪寒や発熱、吐き気、腰や背中にかけての痛みが急激に現れます。通常、痛みは右か左のどちらかにみられます。また、頻尿や排尿痛、尿のにごりが出ることもあります。

一方、慢性腎盂腎炎では症状が出ないこともあり、症状が出たとしても微熱、倦怠感、頭痛などです。人によっては、急性の場合と同様の症状が出る場合もあります。症状が軽い時は慢性腎盂腎炎に気づかないまま病気が進行し、腎不全になってしまうことも考えられます。

慢性腎盂腎炎の原因

慢性腎盂腎炎は、急性の腎盂腎炎が原因となって起こる場合が多くみられます。腎盂腎炎は、腎臓に細菌の感染によって起こります。先天的な尿路の異常、前立腺肥大、膀胱炎などがある場合、細菌が膀胱から尿道を通って腎臓に逆流して感染することがあり、これによって腎盂腎炎を発症します。感染する細菌の多くは大腸菌で、2種類以上の細菌の感染がみられる場合もあります。

また、血液やリンパ液によって別の場所にあった細菌が腎臓に運ばれて感染するケースもあります。特に、免疫力が低下している場合は、腎臓や膀胱の周辺にあるリンパ節から感染しやすくなります。

慢性腎盂腎炎の治療法

慢性腎盂腎炎になった場合は、腎臓検査を定期的に行うことが大切です。症状を進行させないためにも、生活習慣や食事などに気をつける必要があります。体を横にしていると腎臓への血液量が増えるため、腎臓機能の回復を促します。
体が冷えていると腎臓への血流量が減るため、夏であっても冷やさないことが重要です。特に下半身は常に温めることが大切です。また、水分をたくさん摂ることで、尿の量を増えてより多くの細菌が体外に排出されることで再発予防にもつながります。

治療としては、症状が重い場合には入院にて、抗生剤と水分補給の点滴を行います。3-5日ほどの治療で解熱し、検査で改善がみとめられれば軽症の場合に準じた治療をいます。
腎盂腎炎をおこしやすくする原因があれば、それぞれに対応した治療を行います。特に尿の通過障害がある場合には、通過の改善を行う治療を、緊急で行うでしょう。