あなたのお口を守っている唾液には、体の変化や不調によってさまざまな異常が生じることがあるようです。
例えば、さらさらした唾液が止まらない…ということはないでしょうか?
今回はそんな唾液の役割から、不調のサイン、その対処法などを医師に解説していただきました。
唾液(つば)は唾液腺から分泌されます。
唾液腺は耳の前・頬の裏側(酸っぱいものを食べるとツーンと痛くなる部分)にある耳下腺、あごのエラのあたりにある顎下腺、舌の裏側にある舌下腺などから出て、細い管を通って口の中に湧き出します。
ほとんどは水分ですが、アミラーゼなどの消化液や、病原微生物を排除するラクトフェリンなどの免疫成分、歯を健康に保つカルシウム、ぬめりを与えるムチンなども含まれています。
唾液腺は自律神経により指令を受けています。
緊迫した場面では交感神経の指令により唾液が出なくなり口が渇く・逆にリラックスして食事を楽しむ場面では副交感神経が働き唾液が増えるという調節が行われています。
■ 口の中にぬめりと滑らかさを与え、食べ物をかみ砕き飲み込むことを助ける
■ 食べ物と混ざり合うことで味を感じやすくする
■ 声を出したり喋ったりしやすくする
■ 空気中のゴミや食べ物と一緒に入ってきた病原微生物をとらえ、包み込んで殺菌し胃に流して処理する
胃腸の消化機能が弱っており、それを補うために唾液が増えている。
口の中や歯に傷や炎症があり、それを治そうとして唾液が増えている。
飲み込む機能が落ちており、実際には唾液は増えていないのに口の中にあふれる。
飲み込む機能をつかさどる脳の病気の可能性がある。
唾液量を調節する自律神経の働きが異常になっている。
妊娠に伴うつわりの一症状として、唾液が増える「よだれつわり」「つばつわり」がある。
原因は不明だが妊娠によるホルモン状態の変化によると思われる。
普段でも唾液の量は一日あたり1リットル以上と言われています。
それ以上に出ていると、脱水症状になる可能性があるため、水分を十分摂ってください。
免疫機能の異常により、自分の唾液腺を敵として認識して攻撃してしまい、唾液や涙が出なくなることがあります。
ドライマウス、ドライアイと呼ばれる症状が出ます。
検査のために唇にある小さい唾液腺を一部取って顕微鏡で調べたり、ガムを噛んで出る唾液の量を計測したりします。
ドライマウスがあると分かった場合、人工唾液の薬やスプレーを利用して口の中を潤します。
おたふく風邪などのウイルス感染症により、唾液が産生されにくくなります。
口の中が乾き、食べるのがつらくなり、すっぱいものを見ると耳下腺が痛くなります。
唾液腺の機能は感染が収まれば回復します。口の中の細菌が唾液腺に感染すると、唾液に膿が混じることもあります。
唾液を唾液腺から口に運ぶ細い管の中に、カルシウムなどが固まった石が詰まります。
唾液腺が腫れたり痛みが起こります。多くは唾液の流れに流されて自然と石が消えますが、手術で出す必要がある場合もあります。
珍しいですが、唾液腺にがんができることがあります。
唾液腺が腫れて大きくなり、周辺を通る神経にも麻痺が出ることがあります。
口の中を清潔に保ち、唾液腺に腫れや痛みがあれば口腔外科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。
毎日無意識に分泌されて飲み込んでいる唾液ですが、おいしく食事したり話したりするのに重要な役割をしています。
異常を感じたら早めにご相談ください。
(監修:Doctors Me 医師)
例えば、さらさらした唾液が止まらない…ということはないでしょうか?
今回はそんな唾液の役割から、不調のサイン、その対処法などを医師に解説していただきました。
唾液とはどこから出て、どのような成分なのか?
唾液(つば)は唾液腺から分泌されます。
唾液腺は耳の前・頬の裏側(酸っぱいものを食べるとツーンと痛くなる部分)にある耳下腺、あごのエラのあたりにある顎下腺、舌の裏側にある舌下腺などから出て、細い管を通って口の中に湧き出します。
ほとんどは水分ですが、アミラーゼなどの消化液や、病原微生物を排除するラクトフェリンなどの免疫成分、歯を健康に保つカルシウム、ぬめりを与えるムチンなども含まれています。
唾液腺は自律神経により指令を受けています。
緊迫した場面では交感神経の指令により唾液が出なくなり口が渇く・逆にリラックスして食事を楽しむ場面では副交感神経が働き唾液が増えるという調節が行われています。
役割
■ 口の中にぬめりと滑らかさを与え、食べ物をかみ砕き飲み込むことを助ける
■ 食べ物と混ざり合うことで味を感じやすくする
■ 声を出したり喋ったりしやすくする
■ 空気中のゴミや食べ物と一緒に入ってきた病原微生物をとらえ、包み込んで殺菌し胃に流して処理する
サラサラとした唾液が大量に出る原因
消化機能が弱っている
胃腸の消化機能が弱っており、それを補うために唾液が増えている。
口腔内の炎症
口の中や歯に傷や炎症があり、それを治そうとして唾液が増えている。
飲み込む機能の低下
飲み込む機能が落ちており、実際には唾液は増えていないのに口の中にあふれる。
飲み込む機能をつかさどる脳の病気の可能性がある。
自律神経異常
唾液量を調節する自律神経の働きが異常になっている。
つわり
妊娠に伴うつわりの一症状として、唾液が増える「よだれつわり」「つばつわり」がある。
原因は不明だが妊娠によるホルモン状態の変化によると思われる。
対処法
普段でも唾液の量は一日あたり1リットル以上と言われています。
それ以上に出ていると、脱水症状になる可能性があるため、水分を十分摂ってください。
その他にもある唾液の異常について
シェーグレン症候群
免疫機能の異常により、自分の唾液腺を敵として認識して攻撃してしまい、唾液や涙が出なくなることがあります。
ドライマウス、ドライアイと呼ばれる症状が出ます。
検査のために唇にある小さい唾液腺を一部取って顕微鏡で調べたり、ガムを噛んで出る唾液の量を計測したりします。
ドライマウスがあると分かった場合、人工唾液の薬やスプレーを利用して口の中を潤します。
唾液腺炎
おたふく風邪などのウイルス感染症により、唾液が産生されにくくなります。
口の中が乾き、食べるのがつらくなり、すっぱいものを見ると耳下腺が痛くなります。
唾液腺の機能は感染が収まれば回復します。口の中の細菌が唾液腺に感染すると、唾液に膿が混じることもあります。
唾石症
唾液を唾液腺から口に運ぶ細い管の中に、カルシウムなどが固まった石が詰まります。
唾液腺が腫れたり痛みが起こります。多くは唾液の流れに流されて自然と石が消えますが、手術で出す必要がある場合もあります。
腫瘍
珍しいですが、唾液腺にがんができることがあります。
唾液腺が腫れて大きくなり、周辺を通る神経にも麻痺が出ることがあります。
予防法
口の中を清潔に保ち、唾液腺に腫れや痛みがあれば口腔外科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。
最後に医師から一言
毎日無意識に分泌されて飲み込んでいる唾液ですが、おいしく食事したり話したりするのに重要な役割をしています。
異常を感じたら早めにご相談ください。
(監修:Doctors Me 医師)