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新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐため、イベントの自粛や学校の休校措置、在宅ワークの推奨といった対策が行われています。ただ、普段よりも行動が制限され、不確かな情報があふれる中では気付かぬうちにストレスや不安を抱えていることも。この記事では、新型コロナウイルスに対するメンタルケアの方法についてまとめました。

 

WHOが提示するメンタルケアの6大ポイント

 

WHO(世界保健機関)は、「新型コロナウイルス感染症発生におけるストレスへの対処」の方法として、以下の6つを挙げています。

 

今回のような状況で悲しみやストレス、恐怖、怒りを感じるのは当然です。家族や友人との会話があなたを助けます。

 

外出を控えても、適切な食事や睡眠、運動を心がけ健康的な生活を続けてください。

 

不安を和らげるためにタバコやアルコール、不適切な薬に頼るのはやめましょう。耐えられないときは医師やカウンセラーなどに相談しましょう。

 

正しい情報を集めてください。WHOや公的機関などの信頼できる情報元を見つけ正確な情報を集めれば、適切な予防、対処ができます。

 

不安を煽るようなメディアの情報に接する時間を減らすことで、心配や焦りも抑えられます。

 

これまでに困難に立ち向かったときを思い出し、気持ちを落ち着けましょう。

 

https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/coping-with-stress.pdf?sfvrsn=9845bc3a_2

 

 世界的な感染拡大の中、不安になったりストレスが溜まったりするのは当然のことです。ひとりで抱えきれなくなったら、家族や友人、メンタルケアのアドバイスが受けられる専門家に相談してみましょう。

 

また、新型コロナウイルスについての情報は世の中にあふれており、その中には真偽不明の情報も混じっています。意識的にテレビやSNSといったメディアから離れる時間をつくると、心が落ち着くでしょう。

 

 

遊び場が減った子どものメンタルケアは?

 外出の自粛、イベントの中止、そして休校措置…。感受性の高い子どもたちは、大人が思っている以上に不安を強く感じたり、ストレスを溜め込んだりすることで、体や心のバランスを崩して色々な症状を訴えることがあります。例えば、不安を抱えた子どもには以下のような行動が見られることがあります。

 

・頭痛や腹痛、眠れない、食欲がないなどの症状が出る

・泣くことが多くなる、親から離れることを嫌がる

・幼い言動、わがままが増える など

 

子どもがこういった反応を示した際には自然なこととして受け止め、「何が不安なのか」「何を求めているのか」をしっかり聞いてあげましょう。

 

テレビの映像やニュースなどに接する時間を減らし、子どもへの刺激をできるだけ少なくすることも大切です。流れている映像や音声が繰り返されることでより不安感や恐怖感が高まってしまうためです。

 

あわせて、スマートフォンやパソコンを扱う世代の子どもたちには「この情報はどこから発信されたのか」「いつ時点での情報なのか」など正しい情報の取り扱い方も教えてあげてください。

 

室内にいることが増えても体を動かす遊びを取り入れ、規則正しい生活を続けましょう。

 

感染症対策下における子どもの安心・安全を高めるために

https://www.jacpp.or.jp/news/wp-content/uploads/2020/03/MHPSS_message.pdf

 

 

体調や経済不安、つらいときは相談窓口、医療機関へ

大人・子どもに関わらず、どうしても不安が拭えないときには、公的機関の相談窓口を利用するのもひとつの方法です。各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターでは、新型コロナウイルスに関する精神面での相談を受け付けています。

 

厚生労働省 全国の精神保健福祉センター一覧 https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/mhcenter.html 厚生労働省 精神保健福祉センター等における新型コロナウイルスに関する心のケアについて https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000597521.pdf

 

また、精神的な影響で日常生活に支障が出ている場合は、心療内科などの医療機関やカウンセラーに相談してみるのもいいでしょう

 

新型コロナウイルス感染症の影響は、症状だけでなく家庭での過ごし方や経済状況にも及んでおり、さまざまな要因がストレスの原因となることがあります。ありのままの感情を認め、信頼できる人に相談をしながら、自分や家族の心のケアをしていきましょう。

 

 

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プロフィール

監修:医師 松浦 恵
北海道大学医学部卒業後、大学病院、小児病院などで勤務したのち、東京医科歯科大学大学院を卒業。研究を続けながら、成長発達、思春期、内分泌疾患を中心に、健診や予防接種も含めた臨床に携わっている。