これまでに判明している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する情報をまとめました。全て厚生労働省やWHO、専門医の学会など公的な機関や団体が公表している情報です。参考URLも合わせて記載してありますので、気になる方はそちらもご覧ください。

 

情報は随時更新していきます。正しい情報を身につけ、自分や家族、身近な人たちの命を守りましょう。

 

※下の目次で読みたいところをクリックすると、その部分だけ読むことができます。

目次

 

コロナウイルスとは

 

 画像引用:国立感染症研究所

 

コロナウイルス自体はすでに複数発見されていて、私たちにとって身近な病気である風邪の原因となるウイルスもそのうちのひとつです。そのほか、2002年に発生した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」、12年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」などがあります。

 

「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」も同様にコロナウイルスです。このウイルスによって起きた感染症をCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)と呼びます。

 

SARSのコロナウイルスはコウモリを由来としたウイルスでした。今回の新型コロナウイルスの遺伝子配列もSARSと似ているため、コウモリが起源となった可能性が考えられていますが、まだはっきりとは解明できていません。


厚生労働省「動物を飼育する方向けQ&A(新型コロナウイルス感染症)」

 


新型コロナウイルス感染症の症状

 

よく見られる症状として、発熱倦怠感頭痛鼻水鼻づまり喉の痛みが挙げられます。

 

また、主に若年の患者からは味覚障害や嗅覚障害を訴える事例も報告されています。

 

一方、下痢嘔吐などの消化器系症状は1割程度とされています。初期症状は風邪やインフルエンザの症状と似ていて、区別するのは難しいのが現状です。

 

潜伏期間は1~14日で、中国での患者の受診傾向では、発症から約5日で病院を受診し、入院する場合は約7日間かかると言われています。

 

厚生労働省『新型コロナウイルス感染症 診療の手引き第2版』

 

 

新型コロナウイルスの感染経路

コロナウイルスは自分自身で増えることはできず、粘膜などの細胞に付着して入り込んで増えることができるという特徴があります。

 

ですので、感染した人から放出されたウイルスが気道などの粘膜から侵入することで感染が成立します。

 

主な感染経路は、感染者のくしゃみやせきなどと一緒にウイルスが放出されて、それを吸い込むことで起きる「飛沫(ひまつ)感染」と、感染者が放出したウイルスが周囲のものに付着し、それを触った手などを介して口や鼻の粘膜にウイルスが感染する「接触感染」が考えられています。

 

 

 

 

また、厚生労働省が提唱している「3つの密」の空間(人との距離が近く閉鎖した空間)では、咳などの症状がなくても、感染を拡大させるリスクがあるとされています。

 

意外にウイルスは長生き?

WHO(世界保健機関)は、5分間の会話が1回咳をしたときと同じ程度の飛まつを飛ばす可能性があることを報告しています。また、放出されたウイルスは、プラスチック上では最大72時間、ボール紙の上では最大24時間生存するといった指摘もあります。

 

WHO「Natural ventilation for infection control in health-care settings」

 

ペットから飼い主、飼い主からペットへの感染は?

海外では、少数ではありますが新型コロナに感染した飼い主から犬や猫に感染した可能性がある事例が報告されています。逆に、ペットから飼い主に感染したという報告はありません。

 

 

新型コロナの感染リスクが高い場所

 

 (画像引用:内閣官房内閣広報室)

 

これまで集団感染が発生した場所の共通点は以下の3つです。

 

1.換気がされていない密閉された空間

2.多くの人が密集している場所

3.手が届く距離で会話や行為が行われている

 

ただ、上記3つの条件が揃わなくても、人混みや近距離での会話、大きな声で歌うこと、激しい呼吸や大きな声を伴う運動にはリスクが伴うため注意が必要です。

 

具体的な場所としては、ライブハウスやスポーツジム、医療機関、接待を伴う飲食店などでの危険性が指摘されています。

 

 

「これ、新型コロナかも…」判断の目安は?

帰国者・接触者相談センターで相談する目安

新型コロナに関する相談を専門的に受け付けているのが、保健所などに設置されている「帰国者・接触者相談センター」です。

 

相談の目安は、以下のいずれかの条件に当てはまる場合となります。

 

息苦しさ(呼吸困難)強いだるさ(倦怠感)、高熱といった強い症状のいずれかがある

・高齢の方で発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある

糖尿病心不全慢性閉塞性肺疾患(COPD)など呼吸器疾患のような基礎疾患がある方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある

・透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある

・それ以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続いている

 

一般的に37.5度以上の場合を「発熱」とみなします。

 

ただし、症状には個人差がありますので、相談の目安として「何度以上」とは決められていません。平熱と比べた上での判断が必要です。

 

厚生労働省「帰国者・接触者相談センター」

 

帰国者・接触者外来を受診する目安

 (画像引用:厚生労働省)

 

新型コロナウイルス感染症が疑われる方に対する診察や検査を行っているのが帰国者・接触者外来です。

 

まずは帰国者・接触者相談センターやかかりつけ医に相談してください。その際、院内感染を防ぐために外来受診ではなく、電話で連絡しましょう。感染の疑いがある場合に帰国者・接触者外来に案内されます。

 

 

新型コロナの「濃厚接触」ってどんなケース?

新型コロナに感染している人と近距離もしくは長時間接触し、感染の可能性が高くなったことを指します。

 

具体的には、予防対策をしないで手で触れること、または対面で手を伸ばして届く距離(1m程度以内)で15分以上の接触があった場合とされています。

 

接触確認アプリ「COCOA」

 (画像引用:厚生労働省)

 

厚生労働省が開発した新型コロナウイルス接触確認アプリ(通称COCOA =COVID-19 Contact-Confirming Application)は、新型コロナに感染した人と半径1メートル以内、15分以上接触した際に、通知を受け取ることができるサービスです。

 

その後体調の変化などを入力して、相談や受診などの案内をしてくれます。

 

厚生労働省「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application」

 

 

家族に感染の疑いがある場合はどうする?

日本環境感染学会は、注意するポイントとして8点挙げています。

 

1.感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける

2.感染者の世話をする人は、限られた方(健康な方一人に限定)にする

3.できるだけ全員がマスクを使用する

4.小まめにうがい・手洗い・アルコール消毒をする

5.日中はできるだけ換気をする

6.取っ手、ノブなどの共用部分を家庭用塩素系漂白剤などで消毒する

7.汚れたリネン、衣服を洗濯する

8.鼻をかんだティッシュなどのゴミは袋に入れて捨てる

 

感染の可能性のある人は外出を避け、家族や同居している人も適宜健康観察をするようにしましょう。

 

せきや発熱といった症状があるときは、出勤も控えるようにしてください。

 

日本環境感染学会「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(2020 年 2 月 28 日)」

 

 

新型コロナウイルス感染を防ぐポイント

新型コロナウイルスの流行がいつまで続くかは分かりません。そこで政府の専門家会議は、今後長期間にわたって感染拡大を防ぐための生活スタイル「新しい生活様式」を提唱しました。

 

(画像引用:厚生労働省)

 

 

「身体的距離の確保(できるだけ2m)」「マスクの着用」「手洗い」。まずは、この3つの基本的な予防策を徹底することです。

 

その上で、「3密」の回避や1時間に2回程度の換気、毎朝の体温・健康チェックが推奨されています。

 

働き方についても、会社と相談しつつ時差通勤やテレワークを取り入れていくのが良いでしょう。

 

厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」

 

 

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