虚血性大腸炎とは
虚血性大腸炎とは、動脈硬化などにより大腸の血流が悪くなり、粘膜に変性や潰瘍を起こす病気です。 突然強い腹痛に襲われ、下痢や血便を引き起こします。血液検査や大腸内視鏡検査、腹部超音波検査やCT検査で診断されます。
虚血性大腸炎の症状
虚血性大腸炎の典型的症状は、突然起こる左下腹部痛とその後の血便です。血便が数日間は続きます。主な症状
・突然の激しい左下腹部痛
・下痢
・血便
・発熱
・冷や汗
・吐き気
病院に行くべき症状
血便がでる、腹痛が強い場合には消化器内科受診をしてください。
症状が治まる期間
ほとんどの場合は、点滴・絶食により1週間程度で症状が治まる一過性のものです。しかし、1週間以上症状が続いている場合は、クローン病・潰瘍性大腸炎・腫瘍など腸が狭くなる狭窄を起こしている可能性があります。
虚血性大腸炎の原因
虚血性大腸炎には、主に動脈硬化と便秘が関係していることがわかっています。動脈硬化
動脈硬化になると、脳や心臓だけではなく、大腸周辺の血管にも血栓や塞栓ができます。そうなると大腸の血流が阻害されてしまい、酸素や栄養素が十分に送られなくなります。
その結果、大腸に炎症や潰瘍ができてしまうのです。
脂質異常症や糖尿病などの既往がある人や高齢者は、動脈硬化のリスクが高いため注意が必要です。
便秘
便秘が続いたり、浣腸をしたりすると、大腸内の圧が高まり、大腸内の血流が減少してしまいます。そのため、慢性的に便秘の人は、再発につながりやすい傾向にあります。
虚血性大腸炎の治療
内科的治療
一過性の場合は、基本的に絶食や点滴などによる内科的治療で改善します。整腸剤や鎮痛薬、酸化マグネシウムなどの下剤を用いることもあります。
外科的治療
まれではありますが、狭窄型や壊死型と診断され症状が改善しない場合は、手術が検討されることもあります。
虚血性大腸炎の予防
日頃から動脈硬化や便秘を予防するため、食生活や適度な運動、ストレスを溜めないように心がけることが大切です。食事
高血圧や脂質異常症など生活習慣病を抱えている人は特に、食事に注意が必要です。
糖分や脂肪、塩分の過剰摂取を控え、食物繊維の多い食材と水分を十分に摂るようにします。
海藻類、サトイモ、長芋などの水溶性食物繊維が豊富な食材もおすすめです。
ストレス解消
過度なストレスにさらされる状態が長いと、自律神経が乱れて便秘や下痢になってしまうことがあります。
適度な運動や休息を取って、肉体的・精神的なストレスを解消することが大切です。
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