アキレス腱断裂の症状

アキレス腱は、足首の裏側に位置し、ふくらはぎの中央から踵上部まで15cmほどの長さの腱です。人体で最も強くて大きな腱であり、歩行や疾走、ジャンプなどの運動の際に、爪先や踵を動かす重要な機能を果たしています。
  
アキレス腱断裂すると、「バチッ」という音と激しい痛みが生じます。立つこともままならず転倒したり、体重をかけることができなくなるため歩行が困難になりますが、完全に歩けない状態にはなりません。完全に断裂した場合は、腱縫合術が行われますが、部分断裂などの場合はギプスで固定する保存的治療も行われます。

アキレス腱断裂の原因

アキレス腱断裂は、スポーツ選手や、柔軟性が低下している中高年の成人に多く発症します。踏み込み・跳躍・ダッシュなどの動作で下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)が急激に伸縮する際に断裂することが多いです。
  
原因としては、加齢とともに腱の柔軟性が失われていることや、特定のスポーツを長期間休み突然再開した際に、萎縮したアキレス腱に過度の力がかかること、直接の外力などが挙げられます。その他にも、抗菌剤の一種でニューキノロン系の薬や、ステロイドの内服、ステロイドのアキレス腱への注射によりアキレス腱が断裂するとも言われます。

アキレス腱断裂の治療法

アキレス腱断裂は一種の運動障害です。そのため、アキレス腱を保護するためには、運動前に足首を伸ばしたり、屈伸運動をおこなうと効果があります。運動の種類にもよりますが、突然激しい運動をすることもアキレス腱に思わぬ負荷がかかります。
  
また、アキレス腱が断裂する前にアキレス腱炎を発症することがあります。ふくらはぎから踵にかけて痛みが生じた際は、決して無理をせず、しばらく休むことが大切です。アキレス腱炎かどうかは、アキレス腱を触ると痛みや腫れを感じることで分かります。