皮膚悪性リンパ腫とは
皮膚はリンパ節以外でリンパ腫を発症する臓器のひとつであり、皮膚悪性リンパ腫は特に皮膚病変を生じさせるものです。初期はかゆみや痛みは少ないものの赤く腫れる症状がみられます。中期になるとやや盛り上がってきますが、体調にそれほど変化を感じず自覚症状もないのが通常です。更に進むと浸潤によって腫瘤になり痛みを伴ったり、臓器に転移することもあります。
皮膚悪性リンパ腫の症状
皮膚悪性リンパ腫の初期はアトピー性皮膚炎と似ており、赤みを帯びて湿疹が出てきます。そのため皮膚の症状からの診断は難しくなり誤診も多く、数年経過してから隆起してきてリンパの腫れが生じて腫瘍に変化してくことになります。悪化すると皮膚だけでなくリンパ節の腫れや感染症による発熱、がん細胞が他の臓器へ浸潤していくことになります。体重が減少したり熱が下がらないなどの症状がでてきて、体のだるさを感じるようになります。呼吸が苦しくなったり、腹痛や吐き気をもよおすこともあります。貧血や鼻血、歯茎からの出血などの症状もみられることがあります。
全経過は10年から20年と長期にわたるので20代に罹患しても中高齢者に発症することになります。
皮膚悪性リンパ腫の原因
皮膚悪性リンパ腫の原因は明らかにされていません。しかし感染性因子のウイルス、T細胞白血病ウイルス、ヘリコバクター、ピロリ菌などが可能性としてあげられています。また排気ガスや殺虫剤や除草剤なども可能性として除外できないのではないかといわれていますし、別のがんで治療に使われている薬剤によって引き起こしているのではないかともいわれています。
放射線や他人からの感染、遺伝などによるものもあげられますし、エイズウイルスの保菌者は遺伝によってエイズに罹患することになります。
正常な細胞を傷つけられることによってがん細胞になると考えられており、皮膚悪性リンパ腫もリンパ球を作る過程で傷を受けることによって生じると考えられています。
皮膚悪性リンパ腫の治療法
皮膚悪性リンパ腫を予防する方法はないといわれています。手洗いやうがいを励行することが大切ですし、家族に罹患者がいる場合には注意が必要だと指摘されています。
皮膚が赤みを帯びたり、湿疹が発症したり、痛みがないけれどしこりを感じたりした場合に皮膚科の診断を受け、ステロイドで治らない場合には、念のため組織検査をすることが大切です。初期であればレーザーなどの軽い治療で症状が軽減することが確認されています。
炎症が持続する箇所にはリンパ腫が発症する可能性が高いので、炎症を抑制することが腫瘍の発症を防止する方法になります。
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