毛を自分で抜いてしまう(抜毛癖)とは
抜毛癖とは、正常な毛を自ら引き抜いてしまうことで脱毛斑が出現する、精神疾患の一種です。20代までの若い人に始まることが多いです。特に頭髪を引き抜くケースが多いことから、禿頭病(とくとうびょう)とも呼ばれます。
抜毛癖の症状
抜毛癖の症状は正常に生えている毛を引き抜いてしまうため、はっきりとした境界をもつ毛の短い部分が見られるといった、外見的に分かりやすい症状が特徴です。多くは頭髪、特に前頭部や側頭部などにそうした症状が現れますが、人によっては睫毛や眉毛、腋の毛や陰毛などを抜いていることもあります。
毛が抜けやすくなっている円形脱毛症とは異なり、短い部分の毛の先端は、折れたようにざらざらしています。
自分で毛を抜くという特徴のため、特に利き手側の毛にそうした症状が見られやすいのも特徴です。
小学生から思春期の年頃の女性によく見られる病気ですが、成人でも発症することがあります。
抜毛癖の原因
抜毛癖の原因としては、欲求不満やストレスなどが考えられますが、はっきりとしたことはまだ分かっていません。神経細胞と脳の間の連絡機能に支障があるためとする説もあります。抜毛癖のある当人に、毛を抜いている自覚がある場合もありますが、全く自覚していない場合もあります。
毛を抜いているという指摘によって抜毛が止まる場合もありますが、怒ったり叱ったりなどの行為は効果をもたらさない場合もあります。
依存症に分類されるという考え方もあるため、症状によっては長期的な治療が必要です。
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抜毛癖の治療法
原因がはっきりしていないため、抜毛癖の発症を確実に予防できる方法は判明していません。しかしながら、精神的なストレスや欲求不満の表れとも考えられているため、抜毛症と思われる症状が出た場合には、早期に精神科の専門医による診察を受ける必要があります。
症状によって、心理カウンセリングなどによる治療の必要があります。
また、症状の似ている円形脱毛症は、自己免疫性の疾患であり、全く違う治療が必要となるため、勝手な自己判断を行わないことが肝心です。
《心療内科と精神科の違い》症状・病気別にそれぞれ区別しよう
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