依存症の症状

依存症の症状は、「依存しているもの」がないと不安な精神状態になり、イライラしたり、いてもたってもいられなくなり通常の生活が送れない状態となります。

依存症の症状にも段階があり、それを摂取したり、その行為をすると楽しいと感じ、「またしたいな」と考える「精神依存」が第一段階です。精神依存から繰り返しそれを摂取したり行為を行うと、「耐性」ができ、同じ量や同じ刺激では楽しいと感じられなくなります。
そうなるとさらに量や頻度が増え、より刺激を求めていきます。その摂取や行為を止めると精神的な症状が現れ(不安を感じ始めイライラする)、さらに肉体的な症状(手が震える、頭痛がする)も現れます。これらは「離脱症状」「禁断症状」といい、「精神依存」から「身体依存」になってしまっている状態です。

物質依存症は、アルコールやニコチン、薬物が対象となる依存症です。
過程依存症は、ギャンブルや買い物、セックス、盗癖や暴力が対象となる依存症です。
関係依存症は、恋人や親子、夫婦などの人間関係が対象となり「自分がいないと相手が生活できない」状態にして自分が必要とされる場を作り出そうとします。

依存症の原因

依存症は個人的な精神依存から段階を経てなっていくものですので、万人に共通する原因はありません。強いて上げるなら自分のストレスとどう向き合うかでしょう。

ストレスを感じた時にお酒を飲むと楽しくなった、パチンコをして嫌なことを忘れていられた、また自己評価の低い人が恋人や子どもに必要とされて嬉しくなった、と、初めは些細な「嬉しい・楽しい」が「”自分が”嬉しさを感じるために・楽しさを感じるために」繰り返して、それがないと不安で仕方のない状態にまでなってしまう。これは、その行為をすることになったストレスの解決方法を考えていくしかありません。

ストレスから逃げようとして、楽しいこと嬉しいことを追い求めてしまい、精神的にも肉体的にもはまりこんでしまうのが依存症と言えます。ストレスから逃げている、自分で自分が抑えられないといっても、必ずしも意志が弱い人が依存症になる訳でもありません。

なんとか自分ひとりで問題を解決しようとし、問題の解決がはかれないと、自分に自信を失ってしまい追い詰められたストレスから何かに依存をしてしまうといったケースがあります。また、意志を強く持って依存症を治すという治療法では、依存症から立ち直るのは難しいでしょう。

依存症の予防/治療法

原因が依存症を発症した個人的なものとなるので、予防としてはストレスの発散、ストレスとの向き合い方を探ることが必要です。
特に日頃から孤独を感じていたり、周りの人を見て自分に劣等感を感じている人は注意をした方が良いでしょう。
嫌だと思っていることをしたくないばかりに、別のことをするのがいけない訳ではありませんが、予防を考えるのであれば楽しいこと、嬉しいことだけに目を向けるだけではなく、自分がストレスと感じている物事をどう回避するべきか深く掘り下げて考える必要があります。

その際、「こんなことを嫌がる自分が悪いんだ」「みんなはできているのに自分はできないなんて」という思考で止まるのは、「自分が頑張ればいいんだ」と表面的な解決策を出してしまい負のスパイラルに入ってしまう可能性があります。周りと比べるのではなく、自分はこうなんだと、自分が(周りに)求めているのはこんな言葉(態度)なんだと認めて自分の弱さを自分で許していくように考えましょう。

依存症の治療には依存対象に近づかないことが大事です。
アルコール依存症ならお酒を飲まない、依存対象に接触がなければ普段の生活が送れます。しかし、これは本人や家族だけで治療することは困難です。家族が手助けしようとして甘えてしまい依存がますますひどくなるパターンもあります。自分の意思で止めることができない状態ならば医療機関や専門家(カウンセラーや臨床心理士)に通い治療を行いましょう。