化膿した傷とは
通常は皮膚が持っている自然治癒力によって、傷の周りに細菌がいても感染は起きずに傷は治っていきます。 ただ、傷口の状態や汚染状態によっては、細菌が増殖し化膿することがあります。 化膿した傷には、傷の周辺が腫れる、赤くなる、膿が出る、痛みや熱感などの症状が見られます。膿は、壊れた白血球や死んだ細菌が含まれ、粘りやにおいがあり、黄色や緑色をしています。
緊急で受診が必要な場合
以下のような場合は、緊急で受診が必要です。・傷に異物が入っている
・動物に噛まれた、引っ掻かれた
・刃物などで深く切った
・錆びた刃物で切った、釘などを刺してしまった
・頭を切った
・赤く腫れている
・受傷後に38℃以上の発熱している など
・動物に噛まれた、引っ掻かれた
・刃物などで深く切った
・錆びた刃物で切った、釘などを刺してしまった
・頭を切った
・赤く腫れている
・受傷後に38℃以上の発熱している など
傷が化膿する原因
傷が化膿する原因となる細菌には、以下が挙げられます。・連鎖球菌
・黄色ブドウ球菌
・緑膿菌 など
化膿した傷への対処法
清潔なガーゼなどで傷口を圧迫し、傷口を心臓より高い位置にすると出血は止まりやすいです。傷口は流水で十分に洗い流してください。怪我をしたあとの消毒については、最近ではあまりしません。
これは消毒薬で細菌感染を完全になくすことはできないこと、消毒することで傷を治そうという自然治癒力を妨げてしまうことがわかってきたためです。
出血が止まった後も擦れたりしやすい場所の場合には、外傷用の被覆材などで保護を行ってください。外傷用の軟膏なども市販されています。
使用する際には薬剤師に使用方法等よく確認しましょう。
膿が出てきた場合には、自己判断で絞り出してしまうと周囲の組織にダメージを与えてしまい、傷跡が残ってしまうリスクがあります。
傷を化膿させないための予防
軽い傷は「湿潤療法」で処置
湿潤療法とは、これまでの「傷口を乾かしてかさぶたを作る」治療とは逆の「かさぶたを作らせず、傷口を湿らせたままにする」治療法です。
痛みが少ない、傷跡が残りにくい、回復が早いというメリットがあります。
先ほど挙げたような緊急で受診が必要ない傷の場合には「湿潤療法」が有効な場合があります。
湿潤療法用の絆創膏は市販されており、処置は簡単です。浅い傷の場合は、湿潤療法を行ってみましょう。
貼り替える方法や交換のタイミングなどは、添付文章の記載に従ってください。
ちなみに…
湿潤療法用の絆創膏がない場合は、ラップとワセリンでも対応が可能です。ラップにワセリンを塗り、傷にあて、浸出液が多い場合にはその上からガーゼなどをあててテープや包帯でとめます。浸出液が多い場合や夏場などは1日2回程度、それ以外では1日1回は交換をおこないます。傷口は流水で洗い、また同様の処置を行います。
傷を化膿させないためのポイント
傷を負ってしまったときは、化膿したり、傷の治りが遅くなったりしないように以下のことに気をつけましょう。
・乾かさない
傷からしみ出す浸出液には、皮膚細胞の再生を促す白血球などの成分が含まれます。乾かすと傷の保護ができなくなり回復が遅れます。
・ガーゼを直接傷口にあてない
ガーゼをあてると、傷を治すための浸出液を吸い取ります。更に、ガーゼ交換の際に再生した皮膚の細胞をはがしてしまったり、出血をともなったりして、回復が遅くなります。
・傷口を掻かない
傷口がすこし治ってきてかさぶたができてくる頃には、かゆみが出てくることがあります。搔き壊してかさぶたを剥がしてしまうと治癒が遅れ、その場所からまた細菌感染が起きる可能性があります。
化膿が悪化している場合は早めに受診を
怪我をした際に正しく処置をして、傷が化膿してもすぐ対処すれば重篤な状態になることは基本的にありません。しかし、糖尿病などの基礎疾患を持っていたり、抵抗力が落ちていたりすると、まれに敗血症などの重篤な感染症を引き起こす可能性があります。深い傷では、怪我をしてから時間が経ってから細菌が増殖して症状が悪化することがあります。
化膿した傷がなかなか治らない、悪化しているという場合は、形成外科や外科、小児外科などで処置してもらいましょう。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
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