心臓のドキドキという拍動が、一瞬止まる、あるいは急にドクンといった感じになる。いわゆる脈が飛んだような感覚に襲われたことはありませんか?部位が部位なだけに、とても不安になりますが、それが一瞬だけなら、つい見過ごしてしまいがち。今回は、そんな脈飛びについて危険なものと、そうではないものについて医師に伺いました。

そもそも脈飛びは何故起こる?

脈が跳ぶのは不整脈によるもの。
この不整脈とは、心拍動のリズムが乱れることで引き起こされます。通常、心拍動のリズムは洞結節という心房の上の方から電気刺激がスタートすることで心臓全体に伝わるのですが、何らかの原因でこの伝達システムがうまく機能しないと、心拍動のリズムに狂いが生じる。つまり、不整脈を引き起こしてしまうのです。

心拍動の伝達システムを阻害する主な原因

1:心臓のトラブル
心臓の弁の異常や高血圧による心肥大心筋梗塞で心臓の一部の細胞が変性したり、ウイルスなどで心筋に炎症が起きたり、中には原因不明のものもあります。これらが原因で起こる不整脈は危険な場合が多いのですが、不整脈以外にも症状がある場合が多いので、見分けることができます。

2:全身の病気
ホルモンの異常や全身の免疫の異常などですが、これらが原因になる場合も不整脈以外に症状が起こることが多いので、見つけ易く、治療もしやすい場合があります。いっぽう過労などで起こる場合は危険ではない不整脈が多いので、それほど心配する必要はありません。

3:過労や睡眠不足や精神的なストレス
過労や睡眠不足や精神的なストレスが原因で起こる不整脈は、これらの原因を除くと不整脈は止まりますし、予防することもできます。

※上記の他、お酒を飲んだ後に、脈が飛ぶケースではアルコールが原因になっていることもあり、これも病的なものとは異なります。

危険な脈飛びの見分け方

<危険な脈飛び>
・気が遠くなる
・意識を失う
・血圧が下がる
・脈が極端に遅くなるもの
・脈が突然速くなり1分間に150を越えるもの
これらは、放置すると心不全になることがありますので、早急に病院へ行くようにしましょう。

<危険ではない脈飛び>
・無症状で脈が1分間に数回飛ぶ程度
・脈が速くなっても1分間に100前後以下

医師からのアドバイス

不整脈を診断するには血液検査はあまり役にはたたないので、24時間記録する心電図検査、心臓のエコー検査などを行います。気になる方は、病院を受診し、このような適正な検査を受けて、その原因を見付けることが重要です。