原因不明の眩暈や耳鳴りが続くときは、「メニエール病」を疑った方が良いかもしれません。

「メニエール病」は自分の身体状況に加え、気圧の変化にも大きく左右がされますので注意が必要です。

そこで今回は「メニエール病」の症状や、医療機関での治療法を医師に解説していただきました。

「メニエール病」とは


突然起こる強い回転性のめまいと耳鳴り、難聴、耳が詰まる感じが繰り返し現れる病気で、内耳の病気と考えられています。

メニエールという名前は、内耳性の原因によるめまいを初めて報告したフランスの医師、プロスペル・メニエールに由来するものだそうです。

「メニエール病」による症状

■数十分以上続く、激しい回転性のめまいがいきなり起こる

■低音部分が特に聞き取りにくい難聴

耳閉感(耳が詰まる感じ)

耳鳴り

上記の症状が一度に起きて、それを何度も繰り返すものをいいます。また、付随症状として吐き気や嘔吐、寒気やほてり、動悸などがが見られることもあります。

「メニエール病」の原因

メニエール病の症状が起きるのは、内耳の内リンパ水腫によるものです。

内リンパ水腫があることによって、耳の中にある聞こえや平衡感覚などをつかさどる部分が障害されてしまい、回転性のめまいや耳鳴り、難聴といった症状を繰り返すといわれています。

多くの場合、内リンパ水腫は片側のみですが、2~3割程度は両側に起こることがあります。

内リンパ水腫がなぜ起こるのか、ということはまだわかっていませんが、メニエール病にはストレスなどが関連していると考えられています。

「メニエール病」と気圧の関係


メニエール病の発作は、気圧の変化によって起こりやすいことが知られており、低気圧になると内リンパ壁が内側から内リンパ水腫によってより押されやすく、壊れやすくなることから発作が起きやすいと考えることができます。

「メニエール病」として病院に行くべき目安

メニエール病を疑われるような、立っていられないような激しい回転性のめまいを覚えたら、他の病気である場合もありますので、一度耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。

メニエール病の疑いで耳鼻咽喉科を受診すると、まず純音聴力検査によって、低音域の聴力が低下しているか確認する場合が多いと思います。

また、内リンパ水腫の疑いに対してグリセロールテストやフロセミドテストなどが行われることがあります。それ以外にも、眼振の検査やカロリックテスト、平衡感覚を見る検査など多様な検査を行ってほかの病気との鑑別診断を含めて、メニエール病の診断が行われることになります。

メニエール病はすっかり有名になりましたが、いくつもの診断基準がありますので、これを満たすものだけが医学的にメニエール病と診断されることになります。

医師からのアドバイス

メニエール病は、症状がいったん固定してしまうとなかなか治りにくいともいわれていることから、発症したら早期受診・早期診断が大切な病気です。

症状自体は激しく、誰でも気づくものですから、「めまいくらい...」などと思わずに耳鼻咽喉科を早めに受診するようにしてくださいね。

(監修:Doctors Me 医師)