2月も中盤に差し掛かり、寒さも少し緩んできたような気がしますが、まだまだインフルエンザには注意が必要な時期です。

特に小さいお子さんがインフルエンザなどによる高熱で、熱せん妄といった異常行動を起こす場合があると言いますが、どのような症状なのでしょうか。

今回はその症状や原因、対処法などを医師に解説していただきました。

熱せん妄とは


高熱を出した時の異常行動を言い、幻覚や幻聴などが現われ興奮状態に陥ったりする場合があり、具体的な行動としてはいきなり意味不明な発言をしたり、夢を見ているのかと思うようなまとまりのない行動をとることを指します。

原因


脳が発熱によって異常に温度が高くなることで、ノルアドレナリンやドーパミンといった神経伝達物質が大量に放出され、精神神経症状が現れることが知られています。

7つの症状


幻覚


その場にないはずのものが見えたり、聞こえたりすることを指します。まるでそこにいないはずの人がいるように会話をしたりするケースがあります。

錯視


そこにあるものを見間違えたりすることをいい、例えば単なる壁のシミを人影と思い込んだりするといったことがこれにあたります。

幻視


幻覚の中で特に視覚に関係するもので、例えば何かないはずのものが見える、といったものを指します。

幻聴


幻覚の中で特に聴覚に関係するものを言い、聞こえるはずのない声が聞こえたりする場合があります。

錯乱


頭の中がごちゃごちゃになってまとまりがなくなることをいい、支離滅裂な行動をとったりします。

異常行動


その場にそぐわない行動や、普段の本人であればしないような行動をとるものをいいます。

例えば病院で釣りをするような仕草をしたり、急に建物から飛び降りようとするなどの危険行動をとったりするケースがあります。

その他


夜中に飛び起きたり、なかなか寝付かないといった場合もあります。

なりやすい年齢


一般的に子どもがなりやすいといわれています。

体質的なものや、子どもの脳が発達途中で大人に比べると未成熟で不安定であることが関連していると考えられます。

Q&A


Q1:インフルエンザ以外でも熱せん妄になる?


高熱が出る疾患であれば、インフルエンザ以外でも熱せん妄になる可能性があります。

Q2:インフルエンザ脳症と熱せん妄の違いは?


インフルエンザ脳症は、インフルエンザが脳に侵入することで起こる脳の炎症で、非常に深刻で後遺症を残す可能性も高いのに対し、熱せん妄は一時的なもので後遺症の心配もまずありません。

Q3:熱せん妄になりやすいインフルエンザの型は?


一般的にインフルエンザはA型がより症状が重篤であることが多いと言われています。

対処法


◎ しっかり様子を見守る
◎ 医師からの服薬などの指示をしっかり守る
熱性けいれんなどの症状が現れたら病院を受診する

最後に医師から一言


熱せん妄は驚かれる方が多いでしょうが、基本的には一時的で後遺症を残しにくいものです。

クーリングや病院からの指示通りの服薬など、落ち着いて対処しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)