抜け毛の場所によって、原因と対策が異なることをご存じですか?

また、女性・男性でも傾向や原因が異なってきますので、正しいケアで対処するには、どのタイプなのか知ることも大切ですね。

今回は抜ける部位ごとの原因・症状・対処法、また抜け毛の男女別の原因などを医師に詳しく解説していただきました。

1. 前頭部の抜け毛


原因


遺伝的な要因、ホルモンによるもの、またストレスや疲れなども原因となるといわれます。

症状


前頭部の髪が薄くなるもので、女性や、進行したAGAの男性に多いといわれます。

対処法


生活リズムの乱れなどの不規則な生活の見直し、ストレスに対するカウンセリングケアや、AGAが原因の場合は抜け毛のタイプや、個々人の症状にあった治療を行います。

2. 側頭部の抜け毛


原因


AGAによるこめかみ部分の髪の毛の後退に加え、特に女性は髪の長い方で後ろで一本にまとめたり、引っ張るような形で編み込んだりして、側頭部に負担のかかるヘアスタイルをしている場合などがあります。

症状


耳の周囲やこめかみの部分などの髪の毛が薄くなります。

対処法


育毛剤の使用や、原因がAGAによる場合には、AGAに対する皮膚科での治療を受けるとよいでしょう。

また、薄毛が髪型に起因すると思われるケースでは、側頭部に負担のかかりにくい髪型に変えてみる、といったことも効果がある場合があります。

3. 後頭部の抜け毛


原因


後頭部の抜け毛はAGAなどの影響は比較的受けにくく、食事やストレス、生活習慣の影響を受けやすいと考えられます。

症状


頭の後ろの部分の薄毛をきたすもので、自分では比較的気がつきにくい場合があります。

対処法


食事のバランスを整えたり、ストレス解消の時間を設けましょう。
たとえば、仰向けでの長期臥床などがある方は、姿勢を変えるといったことも有効な場合があります。

4. つむじの抜け毛


原因


AGAの影響を受けやすい部位です。
また、全体的に髪の毛が薄くなった場合に、割と目立ちやすい部位でもあると考えられます。

症状


地肌が透けて、頭のてっぺんの部分が白っぽく見える場合が多いです。

対処法


AGAの治療や、育毛剤の使用などが挙げられます。

男性と女性で髪の抜け方が違う理由

男性の場合



AGAによる、男性ホルモンの影響を強く受ける脱毛症にかかられる方が多いと考えられます。

最も典型的な経過としては、こめかみの部分や生え際がだんだん後ろに下がっていく、いわゆるおでこがM字型になる状態を呈します。

また、生え際の部分以外に、頭頂部も薄くなるのが特徴で、完全に髪が抜け落ちてしまうケースもあります。

女性の場合



FAGA(女性型脱毛症)と呼ばれてるものがあり、男性とは経過が異なり、生え際の部分に変化はなく、頭頂部や前頭部が薄くなってくることが多いといわれますが、男性のようにすべて髪が抜け落ちてしまうことは、まずないとされます。

女性の場合は、ストレスや出産などのホルモンバランスの変化、頻繁なパーマや髪の毛を染めるといった行為による、髪への負担が原因になることが比較的多いと考えられています。

また、局所的に本数が極端に減る、というよりは全体的に髪が細く、弱々しくなっていくという傾向もあります。

専門病院での抜け毛治療法 


問診例


家族歴や既往歴、お薬に対するアレルギーの有無などを聞かれることが多いです。

検査例


髪の毛の状態の確認や、今後お薬を使用するうえで必要となる、肝機能、腎機能などの状態を確認する血液検査なども行われます。

治療内容


性別、状態に応じた内服薬の処方による治療のほか、専門病院でHARG治療や、頭皮に薬剤を注入したりする治療などが施されます。


例えば男性のAGAの場合ですと、フィナステリドやミノキシジルを含む薬剤を処方されるケースが考えられます。

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抜け毛に効果のある6つの対策


薬、サプリ


AGAなど特定の疾患に対しての処方薬として認可されているものに関しては、効果がはっきりしている場合が多いです。

サプリに関しては、処方薬に比べると商品によって効果にばらつきがあると考えられます。

マッサージ


頭皮をマッサージで血行を促進させ必要な栄養分が髪の毛に行き届き、ヘアサイクルの正常化に効果的です。

血行改善の他にも、ストレスを軽減させるリラックス効果があるでしょう。

食材


髪の毛を健康に保つために必要な良質のタンパク質、鉄分、亜鉛が含まれる卵や、頭皮の血流を良くするという報告もあるヨードを多く含む海藻類などが効果的と考えられます。

しかし、特定の食材をとるというより、バランスを考えた食事を大切にしましょう。

運動


運動は、AGAによる脱毛を引き起こす男性ホルモンの一種である「DHT」を減らしてくれる効果があるといわれています。

睡眠


睡眠不足によって老廃物が増加すると、毛穴に詰まり、髪の毛を作り出している毛母細胞に栄養が十分に行かなくなってしまいます。

また、ストレスの蓄積にもなりますので、忙しくても睡眠時間は確保するようにしましょう。

ストレス対策


ストレスを受けると交感神経が活発になりすぎ、血管収縮による頭部への血行悪化から、毛根の栄養補給ができなくなり脱毛が引き起こされると考えられます。

適度にストレス解消の時間を持つことや、ストレスに対するカウンセリングを受けることは、抜け毛を防ぐためにも重要です。

老若男女に悩み多し!抜け毛に関するお悩み相談例


質問1:若いのにどうして髪が抜けるの!?


■ 相談者(23歳男性)
まだ20代なのですが、抜け毛が目立ってきたように感じます。

若くしての薄毛と、加齢による薄毛は何か違うのでしょうか?

■ 医師からの回答
加齢による薄毛は、老化現象だと考えられます。抜ける量にくらべ新しく生えてくる量が少ないからでしょうか。

若年、特に男性の薄毛の悩みはこれだけ医学が進歩しても、はっきりとした原因がわからず絶対的な治療が無いのが現状です。
プロペシアという効果があるといわれ保険がきく薬もでてきましたが、効果は人それぞれのような印象があります。

お悩みであれば薬の内服やシャンプーを変えてみるとか、またパーマやカラーリングなど負担をかけるのを見直してみるのもよいと思います。

質問2:薄毛対策になる食べ物はありますか?


■ 相談者(27歳女性)
抜け毛が少なくなったり髪の毛が太くなったりと、薄毛対策になる食べ物はありますか?

また、髪の毛がツヤツヤさらさらになるのに効果的な食べ物はありますか?

それぞれあれば教えて頂けたら嬉しいです。

■ 栄養士からの回答
頭皮や髪によい栄養素としてはタンパク質、亜鉛、ビタミンB群が考えられます。

タンパク質は肉や魚、卵や大豆製品、亜鉛はレバーや貝類、納豆、海藻類など、ビタミンB群はレバーや大豆製品、緑黄色野菜、青背の魚などに含まれています。

質問3:薄毛を薬を使わずに治すには


■ 相談者(36歳男性)
最近は薄毛が気になります。
もともと量が多かったのですがどんどん抜けていき、目に見てわかるくらいまでになりました。

なるべく薬剤は使わずに増やしたいですが何か方法はありますか?

■ 医師からの回答
まずは頭皮の清潔、マッサージ、ストレスの少ない規則的な生活が基本です。
ストレスがたまると抜け毛を促進する男性ホルモンが強くなると言われています。

また、専門医を受診していただくと、きちんとした薬剤選択をして薬が処方され、効果があるといわれているので、ぜひ一度ご相談ください。

最後に医師から一言


抜け毛は正しく原因を見極めて、適切な治療を行うことが大切です。

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