皆さんは、起床時に頭痛を感じだことはありませんか?
頭痛にも、いくつか種類があり、自分はどのタイプなのかを判断することは難しいと思います。
今回は、その種類・疑われる病気・危険なサインについて、医師の坂元先生に分かりやすく解説をしていただきました。
種類
頭痛には、特に明確な原因・病気があるわけではないのに痛くなる頭痛(一次性頭痛)と、何か他の病気が原因で痛くなる頭痛(二次性頭痛)に分けられます。
一般的に原因として多い一次性の中で代表的なものは、緊張性頭痛・偏頭痛・群発頭痛が挙げられます。
緊張性頭痛
■ 原因
身体・精神的なストレスや長時間のデスクワークなどによって血行が悪くなり、首や頭の筋肉が緊張してしまうことが原因です。
■ 症状
頭全体が締め付けられるような強い痛みを伴います。首や肩のコリを伴うことが一般的です。
■ 対処法
血行不良が原因なので、温めることによって痛みが和らぎます。
偏頭痛
■ 原因
はっきりとした原因はわかっていませんが、ストレス等によって頭の中の血管が拡張し、そこに炎症が生じることが原因とされています。
20〜40代の女性に多いことから、何かしらの女性ホルモンの関与も言われています。
■ 症状
ズキズキと脈打つような強い痛みで、光や音に敏感になる場合もあり、痛みが生じる前に目の前がチカチカとする症状が現れることもあります。
■ 対処法
温めることによってさらに血管が広がってしまい痛みが増悪します。入浴や運動、マッサージなども控えるようにしましょう。痛む部分を冷やすことが効果的です。
群発頭痛
■ 原因
明らかな原因はわかっていませんが、目のすぐ後ろを通る血管が拡張することが原因と言われています。比較的稀なタイプです。
特に20~40歳代の男性に多く、飲酒・タバコ・気圧の変化が発作を誘因すると考えられております。
■ 症状
かなり激しい痛みで、一度症状が出ると、1〜2カ月間、毎日症状が見られる場合があります。
■ 対処法
原因が分かっていないので有効な対処法も少ないのですが、発作期間中にトリプタン系やエルゴタミンの薬を服用したり、日常生活では飲酒・タバコは控えましょう。
また、登山や飛行機に乗るなど急激に気圧が変化する可能性がある行為をする場合は、事前に医師への相談が必要です。
起床時に頭痛を感じるメカニズム
例えば、二日酔い、ストレス、寝不足などによって、経験された方は多いのではないでしょうか?
一次性頭痛(偏頭痛・群発頭痛)の場合で、起床時に痛みが強くなる場合があります。
正確な理由はわかっていませんが、レム睡眠と関連があるのではないかといわれています。
疑われる病気
起床時に見られる頭痛において、二次性で一般的な原因に脳腫瘍が挙げられます。
脳腫瘍と頭痛の関係
夜間に寝ている間に頭の中の圧力(頭蓋内圧)が高くなることが原因とされています。
また、起床時に嘔吐を伴うこともあります。急激に痛みが出るというよりは、数日〜数カ月かけて徐々に痛みが強くなってくるという特徴があります。
起床時に頭が痛む場合、特に痛みが数日〜数カ月継続する場合や嘔吐を伴うような場合には精密検査が望ましい状態といえます。そのような症状が見られる場合には一度医療機関を受診するようにしましょう。
緊急性が高い危険な頭痛のサイン
頭痛の多くは一次性で、緊急で救急外来を受診しなければいけないようなものはかなり稀です。しかし、激しい痛みの場合には、「くも膜下出血」といった病気が原因のこともあります。
以下のような症状が見られた場合には、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。
・今までに経験したことがないくらいの強い痛み
・意識が朦朧とする、発熱・麻痺・呂律が回らないといった症状が見られる
最後に坂元先生から一言
一次性頭痛の場合でも、特に頻繁に痛みが出る場合や市販薬では症状が緩和されない場合などは、一度医療機関で相談されるのが良いと思います。