特に体調が悪いわけではないのに、朝起きられない、すぐに疲れてしまって横になりたくなる、立っているとめまいや立ちくらみがする、そんな症状が続くということはありませんか?

 

「怠けているのではないか」と勘違いされるのもつらいですよね。もしかすると、それは低血圧による症状かもしれません。

 

目次

 

低血圧の数値って?どんな人がなりやすいの?

血圧測定

 

低血圧とは

高血圧とは異なり、低血圧にははっきりした診断基準というものはありません。

 

一般的に、収縮期の血圧が100mmHgよりも低いと低血圧とされますが、100mmHgを下回っていても自覚症状が全くなく、日常生活で困ることがなければ特別な対応や治療は必要ありません。

 

低血圧の種類

低血圧にも種類があります。

 

明らかな原因・基礎疾患がなく、体位変化などとも関連なく常に収縮期血圧100mmHg未満である場合を本態性低血圧、寝ている状態や座った状態から立った直後に収縮期血圧が20mmHg以上低下して起きるものを起立性低血圧、そのほかの病気や治療が原因で起きるものを二次性低血圧と呼びます。

 

本態性低血圧は家族歴がある方も多く、遺伝や生活環境の影響も考えられています。

 

 

低血圧の症状

低血圧の症状

 

低血圧は無症状である場合も多いですが、以下のような症状が現れる人もいます。

 

疲れやすい

体がだるい

・力が入らない感じがする

・気分不良

・頭が重い

めまいがする

・ふらつく

立ちくらみ など

 

運動不足や睡眠不足、脱水といったことが重なると症状が出やすくなることが考えられます。

 

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低血圧と似た症状が出る病気

同じく、疲れやすい、だるいなど似たような症状を起こすものに貧血があります。

 

これは血液の中の赤血球が不足することによるものですので、根本的に治療法が異なりますが、低血圧と貧血を合併している場合もあります。

 

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低血圧でお悩みの方へ。病院へ行くタイミング

低血圧は非特異的な症状が多いことや高血圧と違って病気としての認識が低いこともあり、受診する機会が少ない、対策をあまりしていないことが多いのではないかと思います。

 

ただし、日常生活に支障が出てきている、低血圧が疑われる症状が続いているときは受診も検討してみましょう。

 

背景に病気が隠れている二次性の低血圧という場合もあります。症状が続いているときは定期的に血圧を測定し、血圧の傾向を記録した上で一度受診されることをお勧めします。

 

低血圧で受診する目安

 

低血圧の治療法

二次性の低血圧という場合には、原因となっている病気の治療を優先します。

 

日常生活に大きな支障をきたしている場合には、薬による治療を行いますが、生活改善が最も大切です。

 

食事、運動、十分な睡眠、規則正しい生活リズム、ストレス管理といったことをまずは見直していきます。

 

血圧の目標は収縮期血圧100~120mmHgくらいが目安です。

 

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日頃の生活でできる低血圧予防法

朝食は抜かず、3食しっかり食べましょう。

 

肉類、魚類、大豆食品といったタンパク質、ミネラルの豊富な野菜や海草類、適度な塩分も積極的に取るようにしましょう。

 

十分な水分補給も大切です。

 

運動をして全身の筋力を保つこともよいでしょう。

 

起立性低血圧の場合には、急に起き上がったりしないといった日常動作で注意することも効果的です。

 

睡眠不足や不規則な生活、過度なストレスも自律神経の働きに影響しますので、改善できるところがないか意識してみてください。

 

 

まとめ

低血圧は若い女性に多いというイメージがあるかもしれませんが、実際には男性の低血圧患者さんも珍しくありません

 

気になる症状がある場合には、普段から血圧を意識して測定し、低血圧による症状が疑われる時には生活の見直しをするとともに、適切なタイミングで専門医に受診しましょう。

プロフィール

監修:医師 松浦 恵
北海道大学医学部卒業後、大学病院、小児病院などで勤務したのち、東京医科歯科大学大学院を卒業。研究を続けながら、成長発達、思春期、内分泌疾患を中心に、健診や予防接種も含めた臨床に携わっている。