大腸ポリープの原因

遺伝子の異常


遺伝子
大腸ポリープの原因は、遺伝子の異常によるものといわれています。先天的な遺伝子の異常では家系的なものが考えられ、両親や親族に大腸ポリープを患った人がいる場合は注意が必要です。

後天的なものとしては、放射線や発がん性物質によるものと考えられます。

遺伝子の異常の程度によって、ポリープの大きや形、発生する部位に違いがあるといわれています。

食生活の欧米化


ファストフード
近年日本に置ける大腸ポリープ、大腸がんの発生が増加していますが、これは、食生活の欧米化が原因だと考えられています。

肉食が多くなり、食物繊維を含む新鮮な野菜などの摂取が減少しているのが原因とされています。

大腸ポリープの種類

ポリープの種類
大腸を注腸造影検査や内視鏡検査で観察したときに、粘膜からイボのように飛び出しているものは何でもポリープと呼びます。

ポリープは腫瘍と腫瘍以外に分かれます。腫瘍はがん(悪性)と腺腫(良性)に分かれます。

腺腫


一般的に大腸ポリープと呼ぶ場合、この腺腫のみを指して呼ぶこともあり、言葉の使い方があいまいなのが現状です。

腺腫以外


■ 炎症性ポリープ
潰瘍性大腸炎など腸に炎症が起こったあとに生じるポリープ。

■ 過形成性ポリープ
老化現象によって生じるポリープ。

大腸ポリープの好発年齢

60代の男性
40代以降に多くみられ、また、男女比では、女性にくらべて男性の発生率が高くなっています。

60代の男性では2人に1人がポリープを持っていいるとも言われています。

大腸ポリープの症状

トイレに行った男性
大腸ポリープには、下痢や便秘、発熱などの自覚症状はありません。

下痢や便秘などが心配で病院を受診したときに精密検査で、偶然、大腸ポリープがみつかる場合がありますが稀です。

偶然、見つかる場合を除いて自分で病気に気がつくとすれば、便がポリープに接触して、便に血液が付着したり、下血することもあります。
出血量が少ない場合は気がつかないことも多いでしょう。

自覚症状がないので、発見は、大腸がん検査や人間ドックなどを受けたときに便潜血の検査を受けて、発見される場合が多いようです。

しかし、普段から痔を患っている人は、痔による出血だと思い込んでしまいがちです。

大腸ポリープをそのまま放置してしまうと癌化してしまう場合もありますので、痔だと思っても一度精密検査を受けることが大切です。

大腸ポリープが発生しやすい部位

直腸やS状結腸にできる大腸ポリープ
ポリープはどこにでも発生しますが、がんや腺腫は肛門に近い直腸やS状結腸に多い傾向があります。

大腸ポリープの検査

内視鏡検査
超音波検査(エコー)、CT、MRIなどはポリープを探すのには向いていなく、以下の検査が行われます。

大腸内視鏡検査


肛門から胃カメラのようなカメラを挿入して観察する検査。

注腸造影検査


肛門からバリウムを流し込んで腸の壁を白く染め、レントゲンを撮影する検査。

大腸ポリープの治療/手術

ポリープの手術内容
切除するかどうかは、表面のなめらかさ、形のいびつさ、色、硬さ、数、部位、病歴、症状、家族歴などをもとに総合的に判断します。

内視鏡的ポリペクトミー


内視鏡の先から投げ縄のような針金を出し、ポリープの根元にひっかけ、電流を流して焼き切ることでポリープを取り除く「内視鏡的ポリペクトミー」という治療があります。

全身麻酔をする必要がなく、体の負担が少ない治療です。がんであっても、大きさが2㎝以下程度で粘膜付近のみに限られている場合は、内視鏡での処置で取りきることができる場合があります。

取ったポリープは病理検査を行い、切った断面にがん細胞が残っていないかどうかを確認します。

断面にがん細胞があるようなら、切り取った部分以外にもがんが残っている可能性が高いので、お腹を切る手術をすることでより広い範囲でがんを取る必要が出てきます。

お腹を切る手術でも、腹腔鏡という道具を使うことで、体の負担を小さくできる場合があります。

大腸ポリープががん化する場合

大腸ポリープと大腸がんの検査
大腸の粘膜細胞は、常に食物や便と触れ合っているため傷つきやすく、頻繁に増殖して新しい細胞と入れ替わり、必要なくなったら死んではがれ落ちるという秩序だった行動をすることで、正常な粘膜を保っています。

その増殖の過程で遺伝子に傷がつくと、無秩序に増殖してなかなか死なないがん細胞が生まれ、周囲の細胞よりも増殖速度が速くなるため、ぼこっと盛り上がるようになります。

複数の遺伝子に傷がつき、何段階もの変化を経て、正常の細胞ががんになると言われています。

その過程で、細胞が腺腫になってからがんになるという考え方もありますし、腺腫にならずに正常な細胞がいきなりがんになるという考え方もあります。

前者が100%正しければ、内視鏡で見つけたポリープを全て駆逐していけばがんになることはないと言えますが、後者が正しい場合もあるのなら、いくらポリープに気を付けていても、ある日がんになってしまうこともあると言うことになります。

現在のところ、前者の仕組みのほうが大半であると言われています。

一般的に、大きさが1㎝を超えると、がんが混じっている可能性が出てくると考えられています。

ポリープががんなのかどうかは、大腸内視鏡検査での見た目である程度予想がつくこともあれば、切り取って顕微鏡で見てみないと判別がつかないこともあります。

大腸ポリープの予防

人間ドック
大腸ポリープの原因は遺伝子の異常ですから予防する方法はありませんが、早期発見をすることは可能です。

定期的な検査受ける


家系的に両親などがこの病気を発症している場合は、定期的な検査などにより早期発見することが可能です。

早期に発見することができれば、そのまま放置してがん化することなどを防ぐことができます。

また、発症しても、ポリープが大きくなったり、がん化することを予防することはできます。

健康的な生活を送り、定期的な精密検査を受けることが何よりの予防となるでしょう。

食事の改善


欧米化した食生活が原因と言われていますから、肉食を控え、食物繊維を多く含んだ野菜などを多く含んだ食事にすることは症状の進行を防ぐうえで有効です。

禁煙


喫煙も影響すると思われますので、本人だけでなく家族も禁煙するようにしましょう。

ストレスを減らす


多くの他の病気のと同じようにストレスも大敵です。