新生児嘔吐の症状

新生児嘔吐のうち特に注意が必要な症状は、
1.泡沫状嘔吐
2.噴水状嘔吐
3.胆汁性嘔吐
4.無胆汁性嘔吐
です。
1はぶくぶくと泡のように吐く場合、2は噴水のように勢いよく吐く場合、3は吐いたものに緑色の物体が混ざっている場合、4は固まった状態のミルクを吐く場合、と判断できます。
  
嘔吐が病的な要因によるものであるかどうかは、嘔吐症状と同時に
・吐いたものに血液が混じる
・体重が増えない、もしくは減少がみられる
・脱水の傾向が出ている
・発熱・黄疸・お腹が張っている
・便が出にくい、もしくは下痢をしている
・頻繁に吐く
等の症状も合わせて判断されます。また頭を打った後にも嘔吐の症状が出ることがあり、いずれにしても不安要素のある嘔吐の場合には詳細を記録した上で即受診する必要があります。

新生児嘔吐の原因

新生児嘔吐の原因は非常に多くのものが考えられます。嘔吐の状態から原因が推測できるものには、
・食道閉鎖症(泡沫状嘔吐)
・幽門狭窄(噴水状嘔吐)
・先天性腸管閉鎖(胆汁性嘔吐)
・上部消化管閉塞(無胆汁性嘔吐)
があります。
  
その他には
1.胃腸関連の異常
2.神経系の異常
3.感染症
4.代謝異常
5.アレルギー等
が考えられます。
1には先に挙げた消化管の異常と、・便秘が原因の大腸拡張・腸炎・胃食道逆流症等が、2には水頭症・頭蓋内の出血等が含まれており、いずれのケースでも病気が原因の嘔吐では、専門医に相談の上、適切な治療や手術を受けることが必要になります。「ミルクや母乳を1度に飲ませすぎてしまった」といった問題のない原因でも嘔吐は起こりますが、病的要因ではないかどうかの見極めは常に重要です。

新生児嘔吐の治療法

新生児嘔吐では、原因に応じた治療が選択される必要がありますが、どの場合でも嘔吐による脱水を防ぐために、水分を補給する必要があります。また嘔吐によって栄養が不十分だという時には「経管栄養」が用いられることもあります。大人の嘔吐の場合と違い、吐き気止めが投与されることはありません。
  
治療の必要がない生理的嘔吐を予防するためには
1.授乳後にげっぷをさせる
2.授乳量の調節をする
といった方法が有効で、2については・哺乳瓶なら穴が小さめの乳首を使用する・母乳なら授乳前に少し絞って勢いを抑える、等によって対処します。