うつ病に季節性のものってあるの? 季節の変わり目にうつ症状が出やすい理由をご紹介!

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監修:Doctors Me 医師

秋になると気温も下がり、雨の日も増えてきます。

植物も葉を落とし、冬支度が始まってなんとなくさみしい気持ちになりがちですね。こんな季節には「季節性うつ」にご用心!

ではなぜ、季節の変わり目になるとうつ症状が現れるのでしょうか。そこには気圧と人体の微妙な関係があることが分かっています。

今回の記事では季節性うつに関して詳しく見ていきたいと思います。

そもそもうつ病とはどのような病気のことを言うのでしょうか?

うつ病とうつ状態


うつ病とはどんな病気でしょう、と聞かれると意外と返答に窮するのではないでしょうか。

「なんとなく気分がすぐれなくてやる気が出ない」とか「気持ちが塞ぎこんでしまって、なにごとにも関心が持てない」などというイメージがあるのではないでしょうか。

確かに、それらはうつ病の時に現れる症状であることに間違いはありません。でも、なんとなく気持ちが落ち込んだり、なんとなくブルーな気分になる時って、誰でもありますよね。

例えば生理前になると精神的に不安定になることもありますし、身内の方に病気が見つかったり、亡くなられたりといったことがあれば、気持ちが塞いでしまうこともあると思います。これもうつ病になるのでしょうか。

うつ状態が長く続くのがうつ病


生理前に訪れるうつ状態は、生理が始まってしまえば収まるものですし、親しい人が亡くなってしまったようなショックも、一般的には時が解決してくれるものです。

どうにも疲れてしまって仕事に対するやる気が出ない時に、思い切って休んでみたらまた意欲が回復するなどということはよくある話です。

うつ状態になってしまう原因を見極めて、対処することができれば、うつ状態は必ず解消されていきます。

ところが、うつ状態になってしまっている原因が解消されない場合には、うつ状態が長く続き、しかもだんだんと深刻になっていきます。

そして、投薬やカウンセリングなどの治療が必要となった場合に、うつ病と認定される訳です。

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季節性うつとうつ病、症状に違いはある?

季節性感情障害


季節の変わり目に不調が出るという人は多いのではないでしょうか。春先になって花粉症の発作が起こる人もいれば、5月病になってしまう人もいると思います。

また、秋から冬にかけての気温の変化によって風邪をひいてしまったり、なんとなく感傷的になってしまう人もいるのではないでしょうか。

昔から季節の変わり目というのはなんとなく気持ちに変化が現れる季節で、「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」という和歌や、

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」という和歌が古今和歌集に見られるように、特に春先や秋という季節は繊細な感情を持つ人にとって影響の大きい時期のようです。

春と秋の違い


春を題材にした和歌を見ていると、暖かくなってきて心がそわそわする気分が見てとれますが、それはどちらかというと気分の高揚を歌に詠んでいるものが多く、

秋を題材にした和歌の場合には気分の変化が、どちらかというと感傷的になっている状態を詠んでいることが分かります。

1000年以上も前の人にもこういった情動の変化があったのですが、実は近年になって「季節性感情障害(SAD:Seasonal Affective Disorder)」という気分障害があることが分かってきています。

季節の変わり目であればいつでも起こりうるのですが、最もよく知られているのが「冬季うつ病」と言われるものです。

「冬季うつ病」は、秋から冬にかけて日照時間が少なくなるころに発症する季節性感情障害で、秋から冬に発症するものの春には症状が改善する、

ということを2回以上繰り返した場合に「季節性感情障害」となります。また、中には夏などに軽い躁(そう)症状を感じる人もいるということです。

冬季うつ病の原因


1. 日照時間が短い主な原因として日照不足が関係していると考えられます。

冬は日にあたる時間が短くなることで、一日の睡眠覚醒リズムが少しずつ遅れがちになることが「季節性うつ」に深く関わっていると考えられています。

2. 中枢神経での物質の機能低下中枢神経(脳など)に関係する物質の機能低下も、季節性うつの原因ではないかと考えられています。

3. 遺伝遺伝的な要素もある程度は関係しているのではないかと考えられています。

季節性うつとうつ病とでは、なにか症状に違いはあるのでしょうか?

症状はほとんど一緒


季節性うつは、社会的なストレスによる精神的活動の低下が特徴的で、うつっぽい気分、不安、焦った気持ち、午後からだるさが増すなど、概ねうつ病と同様の症状ですが、若干の違いがあります。

一般的なうつ病の症状


・抑うつ気分…なんとなくやる気が出なくて気持ちが塞ぎこんでしまい、気分も憂鬱でいつにもまして些細なことでもくよくよしてしまったりといったことが見られます。
・興味関心の低下…今まで興味があったことに対しても関心が持てなくなり、やっていても楽しく感じないようになってしまいます。
・睡眠障害…寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めてしまう、また、まだ起きなくてもいい時間なのに異常に目が早く冷めてしまうと言ったことが見られるようになります。
・食欲不振または食べ過ぎ…気分が落ち込んで料理を見ても食欲がわかなかったり、あるいは、食べても食べても満足できなくなったりします。
・精神的活動性の低下もしくは焦燥(焦った気持ち)…特にこれといった理由もないのに、なんとなく急かされているような気分になり、焦ったり不安を感じたりします。
・易疲労感…ちょっと仕事をするだけでもドッと疲れた感じがしたり、朝起きても疲れがとれていないような気分になります。
・意欲の低下…気力や思考力、集中力が低下してしまい、やる気が出ないだけでなく、仕事をしていても効率が悪く、些細なミスを繰り返すようになります。
・自分が価値のないものと思う気持ち…自分はつまらない、周りにとってどうでもいい人間だと思ってしまい、むやみに自分を卑下するようになります。
・自殺のことを考えてしまう…この世の中に自分が存在する意味がないのだと考えるようになってしまうと、自ら命を絶つことで解放されたいという欲求を抱くようになります。

季節性うつの特徴


季節性うつの場合にも一般的なうつの時に見られる症状と同じようなことが起こりますが、睡眠障害に関してはちょっと違いがあって、不眠や入眠障害というよりは、睡眠過多なことが多いそうです。

また、季節性うつの場合には、食欲が減退するということがあまりないことも知られています。

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季節性うつの人によく見られる生活習慣はこんなことです!

睡眠に関して


季節性うつ病の人に見られやすい特徴は、特に冬季うつ病の際に顕著ですが、寝過ぎているということが挙げられます。

休みの日だからと言って長く寝ていたり、寒くて布団から出られないからと言ってダラダラと寝ている傾向が見られます。

睡眠は身体にとって、とても重要な行為ではありますが、過眠によって睡眠のサイクルがくるってしまうと、体内時計に狂いが生じて、体に様々な不調が現れることとなります。

また、朝日を浴びないことで脳内の神経伝達物質の分泌にも異常が起こります。

食事に関して


食事に関しては、食欲亢進(食欲が増すこと)が季節性うつの特徴です。食欲の秋とは言いますが、あからさまな体重増加は、もしかしたら季節性うつの兆候かもしれません。

季節性のうつ病を予防するにはどうしたらいいのでしょうか?

睡眠習慣の改善



早寝早起きは季節性のうつ病に限らず健康の基本です。一年中を通して一定の時間に早寝早起きするようにしましょう。

休日も一定の時間に起きて、夏場でも、なるべく朝は部屋に光が入るように調整しましょう。カーテンを開け放して朝日が入るようにすると効果的です。

朝の散歩をする


秋や冬には不足した光を浴びるため、外出や散歩などで日を浴びるようにしましょう。人間の体も光によって体内時計がリセットされ、感情や睡眠などに影響があると考えられています。

明るい環境で過ごす


日照時間が少なくなる冬場は積極的に明るい環境に居るように心がけましょう。本格的なうつの症状に陥ってしまった場合は、精神科での薬物療法、高照度光療法などをすすめられます。

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原因を知って季節性のうつ病を克服しよう!

季節性うつ病は、生活習慣をいくつか見直すことで予防できる可能性があります。

うつ病に陥ると生活に支障をきたし、つらいものです。可能な範囲で予防し、春が来るまで明るい気分で過ごしたいですね。

(監修:Doctors Me 医師)

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