リンパ管炎の症状

リンパ管炎でよくみられる全身症状は、発熱、悪寒、頻脈、倦怠感、痛みなどです。急激に悪寒や体のだるさを感じ、発熱が40度くらいに及ぶこともあります。

鼠径部・頸部・脇の下などのリンパ節に向かって伸びる幅数mmから数cmの赤い線(線条痕)が現れるのが特徴です。周辺は熱を帯びていて、押すと軽い痛みを伴います。

感染がリンパ節に及ぶと、リンパ節が肥大して圧痛を生じます。発熱や悪寒などの全身症状は、赤い線が出現する前に現れることもあります。まれに、細菌が血液に入って菌血症、敗血症を起こし、命にかかわることもあります。

リンパ管炎の原因

急性リンパ管炎は、溶血性レンサ球菌やブドウ球菌などの細菌が手足の外傷や潰瘍部、水虫感染部からリンパ管に侵入することによって起こります。溶血性レンサ球菌による感染がほとんどです。

皮膚や皮下組織に生じたレンサ球菌感染症がリンパ管に広がることもあります。

慢性リンパ管炎は真菌の感染によることが多く、結核やがん、フィラリアなどの病気が原因となって慢性の経過をたどることもあります。急性リンパ管炎から慢性化することはまれです。

リンパ管炎の治療

リンパ管炎に感染したら、抗菌薬を投与するとともに、原因となっている外傷の治療を行います。また、安静にして患部を高い位置に置くことで症状は軽快に向かいます。

リンパ管炎が疑われる場合は、早めに適切な処置を受け、敗血症などを予防することが大切です。

リンパ管炎の予防

リンパ管炎は、手足の外傷から細菌などが侵入することで起こるため、外傷の処置を適切に行うことが重要となります。

また、体力の消耗、抵抗力の低下も誘因となるため、無理しないことが大切です。