けいれんの症状

熱性けいれん


けいれんの代表的な症状は、生後6ヶ月~5歳の子どもによく見られる熱性けいれんです。

子どもが高熱(38度以上)を出したときに以下のような症状が見られます。

・意識がなくなって白目を向く
・体の力が抜けて意識があいまいになる
・体をそらせるように硬くなる
・手足をぶるぶる震わせる
・顔色が悪くなる
嘔吐する など


赤ちゃんの発熱は何度から注意が必要?対処法と病院に行く判断基準

てんかんによるけいれん(発作)


てんかんによるけいれん(発作)は、発作の原因となる脳内刺激がどこで起きるかによって症状が変わります。

刺激が脳全体に広がっている発作では、意識がなくなる場合がほとんどです。

脳の一部で発作が起きた場合は気を失うことはなく、手足がつっぱったり、体がガクガクとけいれんすることがあります。

そのほかのけいれん


眼瞼けいれん、単純性筋けいれん:まぶたがピクピク動く、自分では目が開けられない
片側顔面けいれん:目のまわり、口もと、頬がピクピク動く
単純運動チック:顔のさまざまな筋肉がときどきピクッと動く
羽ばたき振戦:手足がときどきピクピクと動く など

けいれんの原因


けいれんは、発熱やてんかん以外に、感染症、電解質異常、薬物、頭蓋内病変(腫瘍、外傷、低酸素脳症など)などさまざまな原因によって引き起こされます。

熱性けいれん


一部のお子さんでは、高熱が出るとけいれんしやすい体質がある場合があります。

また突発性発疹症インフルエンザなどの感染症では熱性けいれんを起こしやすいと言われています。

てんかんによるけいれん


てんかんは脳の病気です。

脳には神経が張りめぐらされ、その神経の中を弱い電気信号が通ることによっていろいろな情報が伝達されます。

この脳内の電気信号が何らかの原因で過剰に発生するとその部位の脳機能が乱れ、適切に情報を受け取ることや、体の動きをコントロールできなくなります。そのためにけいれんが起こることがあります。

てんかんには原因不明の場合と、脳出血などによる脳の損傷が原因で起きる場合があります。

眼瞼けいれん


大脳にある運動抑制システムの障害と考えられています。そのほか、病気によるものや薬物によるものもあります。

片側顔面けいれん


脳の深部で顔面神経に血管が接触して圧迫することが原因で起こります。

単純運動チック


発症の原因は分かっていませんが、家族内での発症や注意欠如・多動症(ADHD)、強迫性障害と合わせて症状が出ることがあります。

羽ばたき振戦


肝機能障害や脳障害などによって起きることがあります。

けいれんの治療・対処法

けいれんは、短時間でおさまればそれほど慌てなくても大丈夫です。

ただ、5分以上続く場合は、命に危険が及ぶ可能性があるので、救急車を呼びましょう。

子どもが熱性けいれんを起こした場合


安全な場所で体を横にしてあげましょう。吐くことがあるので、体と顔は横向きにして寝かせてあげてください。

けいれんが続いたり、顔色が悪い場合は救急車を呼んでください。

けいれんが起きているとき、家族の方々はできるだけパニックにならず、子どもの様子などを観察して医師に伝えてください。

子どもが「熱性けいれん」を起こしたら…? 親がすべき、正しい対処法!

てんかんによるけいれんが起きた場合


てんかん発作が長く続いたり、短い発作でも意識を失うことを繰り返していたりした場合も、危険性が高いため救急車を呼びましょう。

そのほかのけいれんの治療法


手術療法や薬物療法、けいれんを引き起こしている病気の治療などがあります。チックの場合は、環境調整なども有効です。