低血糖症の症状

低血糖症になると人体の低血糖回避システムが働き、血糖を上げるためアドレナリンをはじめとするホルモンが大量放出されるので、空腹感、悪心、無気力、発汗、動悸・頻脈、震え、イライラ、といった交感神経刺激症状が現れます。これらの症状は、さらなる低血糖が中枢神経の機能の低下を招くことを警告するサインです。
  
低血糖が持続したときに現れる中枢神経症状は、頭痛、複視、視力低下、傾眠、精神錯乱、奇妙な行動、けいれんなどがあり、昏睡に陥いると回復しても植物状態に、重篤な場合は死に至ることもあります。また、低血糖症状がなく突如意識障害に陥る無自覚性低血糖が起きると、直ちに生命に危険が及ぶ恐れがあります。

低血糖症の原因

低血糖症の原因として最も多いのは、糖尿病をインスリン注射や経口血糖降下薬で治療中に、食事開始が遅れたり、また量が少なすぎたり、運動量が多すぎたり、薬等が多すぎたりすることです。
  
その他、インスリノーマなどの膵臓腫瘍がある場合、肝ガンなどの肝臓疾患がある場合、サルファ剤やアルコールの摂取過多でもおこる場合があります。1歳6ヶ月頃から5歳頃までの乳幼児におこるケトン性低血糖症は、食欲不振や夕食の不摂取等による一時的な飢餓状態が誘因となり発症するとされています。
 
低血糖の症状が出たときは、甘いのや炭水化物を飲食し糖分を摂取するのが有効です。

低血糖症の治療法

低血糖症は重篤な症状を引き起こすので、糖尿病を治療中の方は次のことに留意し予防を心がけます。
・食事の量と時間を定め、規則正しく摂取する
・食前の運動を控える、また、運動前に軽食を摂る
・インスリン注射の正しい手技を身につける
  
糖尿病ではないのに低血糖症の症状が出やすい場合は、少量の食事を何回にも分けて摂取するようにすることで予防できます。軽い低血糖症の場合は、速やかな糖分補給により重症化を予防し、無自覚低血糖が起こる場合は、こまめな血糖値の測定と糖分補給を行うよう心がけます。