ストレスと疲労から起こるとされる「冠動脈狭窄(かんどうみゃくきょうさく)」。聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか?

一体この病気は、どのような症状を引き起こすのか、また治療はどうやって行われるのか医師に詳しく伺いました。

まずは、冠動脈について把握しよう

心臓は筋肉でできていますので、きちんと機能するに当たって、栄養と酸素が必要になります。これらは他の筋肉と同じように、血液の中にあるブドウ糖と脂肪、酸素を使います。 心臓はそもそもが血液を送り出すポンプなので、中にたくさん血液がありますが、残念ながら、その血液を使うことができません。

心臓の筋肉を動かすには、特別な動脈が存在していて、それが冠動脈と呼ばれるもの。名前の由来は、心臓の周りを冠のようにぐるっと、ひと回りしていることに由来しています。

肝静脈狭窄=冠動脈が細くなること

細くなる原因としては、動脈硬化が上げられます。動脈硬化は、血管の壁に、脂肪がたまる病気ですが、それにより、中のスペースが細くなり、血液が流れなくなる状態となります。そのため、心臓が激しく動く必要のあるとき、つまり、運動時や興奮したときに、必要な血液が送られず、心臓の筋肉が酸素欠乏、栄養不足の状態になります。

そうなると、狭心症心筋梗塞という状態になり、心臓の機能が落ちるため、十分な血液を全身に送ることができず、最悪のケースでは命に関わることも。

生活習慣病に要注意!

この、心臓の冠動脈狭窄を起こす動脈硬化は、いわゆる生活習慣病です。肥満、高血圧高脂血症、喫煙、アルコールなどが、動脈硬化を及ぼす原因となります。この生活習慣が続くと、冠動脈が徐々に細くなり、そのうち完全に詰まってしまうのです。

どうやって治療するの?

一度起こってしまった動脈硬化を、薬で元に戻すことはできません。そのため、治療には物理的な処置を施す必要があります。具体的には、心臓の冠動脈に、カテーテルと呼ばれる細いワイヤーを入れ、それにそって、風船で血管を押し広げ、最終的にはステントとよばれる、金属の型を入れて、固定します。これによって細くなった部分を修復させるのです。

また、飲み薬(血液をサラサラにする薬や、体の脂肪を減らす薬)によって、動脈硬化の進行を遅らせ、また細くなった血管を血液が通りやすくする治療もあります。

医師からのアドバイス

日ごろから、規則正しい生活、適度な運動、ヘルシーな食生活を意識して生活習慣病から身を守ることが、冠動脈狭窄の予防には大切です。また、もし少しでも心臓に不安な症状がある場合、早めに専門医に相談するようにしましょう。

(監修:Doctors Me 医師)