デスクワークやスマホなどで背中が丸くなり、無意識に猫背になってしまってる人は多いと思います。

 

しかし、猫背が癖になってしまうと、体に様々な悪影響を及ぼすことをご存知でしたでしょうか?

 

今回は、姿勢の悪さとして身近な「猫背」のメカニズム・原因・体への悪影響・改善法などを、医師に解説していただきました。

 

目次

 

 

猫背のメカニズム 

猫背のS字カーブ 

猫背では骨盤・背骨・首の骨にかけてのS字カーブが保たれておらず、C字になっており、肩が前に出ています。

 

首を前に倒してパソコンのモニター・机の上のものを見ようとしたり、体の前で手作業をしようとする場合に猫背になりやすいです。

 

また、肩や首を後ろに引き戻して、背骨のS字カーブを保つのに必要な筋肉が十分働いていない場合に猫背になると思われます。

 

 

猫背の人の姿勢の特徴

猫背の人の特徴 

・あごが前に出ている

・お腹がポッコリ出ている

・背中が丸まっている

・体の重心線から頭が前にずれている

・体の側面からみたときに肩が前に出ている

・背中から腰にかけてのS字カーブがない

・骨盤が後ろに倒れている

 

 

猫背になってしまう原因

デスクワークによる疲労

 

デスクワーク

特にノートパソコンの低い位置にあるモニターをのぞき込んだり、小さいキーボードに手を寄せ合うようにしてタイピングすることが悪化の原因になります。

 

VDT

VDT(Visual Dysplay Terminal)作業とよばれるパソコンモニターを使用した作業には、長時間行う場合には定期的に休憩を取りストレッチを行うこと、画面の高さ・明るさなどに配慮することを、厚生労働省の「VDT作業における労働衛生環境管理のためのガイドライン」で定められています。

 

料理など立って行う手作業

デスクワークだと椅子のひじ掛けや机のふちで手首を支えられますが、立っての作業だと腕の重みを支え続けなければならず、首を前に倒す角度もデスクワークより大きくなりがちです。

 

ストレス

上司にいつ怒鳴られるかとびくびくしながら作業しているような場合や、テスト中に問題が分からず追い込まれている場合には、良い姿勢を保つのは難しいでしょう。

 

冷え

冷えていると筋肉の血流が落ち、しなやかさがなくなって体が縮こまってしまいます。

 

生まれつきの骨格のゆがみ

脊椎側弯症、股関節の脱臼など左右の体のバランスを崩すような状態があると、猫背になりやすくなります。

 

 

猫背と筋肉の関係 

筋肉の構造

 

以下の筋肉のバランスが取れておらず、凝り固まってしなやかさが減っていると考えられます。

 

・首を前に倒す筋肉:胸鎖乳突筋、斜角筋、広頚筋

・首をまっすぐ保つ筋肉:肩甲挙筋、頚板状筋、頭板状筋

 

・肩を前に縮こませる筋肉:大胸筋、小胸筋

 →働きすぎたり、乳房の重みの負担に耐え切れなくなっている

 

・肩甲骨を背中で引き寄せるための筋肉:僧帽筋、大菱形筋、小菱形筋

 →十分に働けていない可能性がある

 

・背骨をまっすぐ保つための筋肉:脊柱起立筋

 →背筋の力不足

 

 

猫背が体に与える悪影響

肩こりの悪影響 

肩こり、首こり、腰痛

 無理な姿勢で筋肉に負担がかかるとコリや痛みが出ます。

 

頭痛、吐き気

肩こり、首こりの症状の一つとして頭痛吐き気が起こることがあります。デスクワークをしている場合は目も酷使しており眼精疲労が生じ、頭痛・吐き気を悪化させ、悪循環になっていくこともあります。

 

お腹が出る

お腹のスペースが狭くなるためお腹が前に出て見えます。

 

バストが垂れて見える

バストの重みで前かがみになりがちですが、前かがみになるほど背中にかかる負担が増えるという悪循環になります。

 

 

猫背の改善方法

首のストレッチ

 

ストレッチ

肩を丸く回したり、腕を後ろで組み合わせて上下する。首を前後左右に回す。といった運動が考えられます。 

 

筋肉を温める

濡れタオルを置いたり、入浴などで筋肉を温めほぐします。

 

重いリュックを背負わない

重い荷物を背負うとそれに対抗しようとして猫背になりがちです。

 

 

最後に医師から一言

デスクワーク中の休憩

 

作業に熱中していると自分が猫背になっているかも自覚できなくなってきます。30分から1時間に一回程度休憩を取り、自分の姿勢を常に矯正するようにしましょう。

 

(監修:Doctors Me 医師)