腓骨神経麻痺の症状

腓骨神経麻痺に見られる症状は、下肢の外側部分から足の甲にかけてじんじんとしびれを感じたり、触っても何も感じないなど皮膚感覚が鈍くなったりします。
  
また、足首や足の指をそらせるように上に向けることができなくなり、下に垂れた状態になります。その結果、歩行の際につまずいたり、サンダルが脱げやすかったりなどの支障が出ます。膝を高く上げて歩くなど、歩行にも影響が出るようになります。

腓骨神経麻痺の原因

腓骨神経麻痺を起こす主な原因は、腓骨神経の外部からの圧迫によるものです。

腓骨神経は、膝関節の裏側から膝外側の腓骨骨頭を巻き込むように走行しています。骨の上に乗った形で、皮膚の真下に神経がある状態になります。そのため足を組んだ状態が長かったり、固い床に横向きに寝たりすることなどが原因となり、麻痺を起こすことがあります。
  
また、腓骨神経の周りは筋肉が取り囲んでいるため、しゃがんだ姿勢が長く続いたときにも同様の症状が起こります。関節リウマチや腫瘤が原因となることもあるため、思い当たる原因がない場合には検査が必要です。

腓骨神経麻痺の治療

足を靴下やストッキングで圧迫していた場合や足を組んでいた場合は、すぐにやめて様子をみます。

様子をみても改善しない場合や、骨折などが原因となっている場合は、手術を行います。

腓骨神経麻痺の予防

腓骨神経麻痺を予防するためには、以下のことに気をつけましょう。

・日常生活においては足を組む癖を直す
・膝裏に強いゴムが当たるようなハイソックスは履かない
・しゃがむ作業をするときには、足を伸ばすなど休憩を入れる など

 
また、膝を固定するときに、間違ったサポーターやテーピングを施したことが腓骨神経麻痺の原因になることもあります。事前に正しい固定方法の指導を受けるとよいでしょう。
  
腓骨神経麻痺は、足の骨折や手術などの際にしばしば発症します。そのため、足にギブスや牽引をする際は、腓骨頭を圧迫しないよう気をつける必要があります。