突発性難聴の症状

40〜50代の大人が発症することが多い病気ですが、若い人や高齢者が発病することも多いです。突発性難聴は起床時に気がつくことが多く、ある瞬間から急激な聴覚の低下を感じる人がほとんどです。多くは片耳だけに発症し、両耳に発症することはまれです。自覚症状は耳に何かが詰まったような聞こえづらさ(耳閉感)・耳鳴り・目眩などがあります。耳鳴りは高い音が耳の奥で鳴っている感じで、自分の声が頭の中でこもって聞こえます。

目眩は自分の周りの景色が回っているような目眩や、ふわふわと体が浮いているような目眩です。それに伴って吐き気や嘔吐を催す場合もあります。目眩は突発性難聴の発症前後や直後に起きることがありますが、起きないこともあり、起こっても一度しか起きず、繰り返さないのも特徴です。まれに耳に痛みを感じる場合もあります。
早期発見・早期治療で治る病気ですが、放っておくと治療は困難になってしまいます。一般的には発症から一週間以内に治療をすればほぼ改善されるという治療結果が出ていますが、それ以降になってしまうとどんどん治りにくくなってしまい、二週間を過ぎると治癒の可能性は大幅に低下してしまいます。発症してからは出来るだけ早く治療を開始することが大切です。

突発性難聴の原因

はっきりとした原因は分かっていないのが現状です。しかし、有力なものとしてストレス説やウイルス感染説、内耳循環障害説があります。突発性難聴を発症した人には生活習慣の乱れが多く見られたため、肉体的・精神的なストレスが原因だという説があります。内耳に通っている血管は一本しかなく、ストレスによってこの血管が収縮してしまって内耳の血行が悪くなり、聴覚に異常をきたすのではないかと考えられています。出来るだけストレスコントロールをし、三食のバランスのとれた食事と十分な睡眠を確保することが大切です。
ウイルス説については原因となるウイルスが未だ発見されていませんが、突発性難聴の前に風邪にかかっていた人が多いことや、一度かかると再発しないこと(免疫が作られるため)、突発的な難聴を引き起こすウイルス疾患が存在するとの理由により有力な説だと言われています。

内耳循環障害説は内耳血管で起こる血栓や痙攣による症状が突発性難聴を起こしうるという可能性があり、一番うまく説明がつきます。治療に使われる循環を改善する薬剤が有効であることも報告されていますが、この説では再発することがほとんどないという突発性難聴の特徴を説明することができません。

突発性難聴の予防/治療法

はっきりとした原因が分かっていない突発性難聴を予防するためには、まず原因と思われている三つの説を先回りして予防することが大切です。ストレスを溜め込まない生活習慣を心がけることです。仕事や家事などの関係で食事を抜いてしまったり、睡眠時間を削ってしまったりしてしまいがちです。しかし、できるだけバランスのとれた食事を三食とり、十分な睡眠時間を確保することで防げる病気は少なくありません。避けられないストレスは溜め込まないでいられる生活が望ましいです。

ウイルス説については原因となるウイルスが発見されていませんが、突発性難聴を発病する前に風邪をひいていた人が多くいるとの調査結果から、手洗いうがいを心がけることによって防ぐことです。実際に治療に取り掛かる場合、ウイルス感染を疑う場合が多いとされています。
また、発症してしまった場合は早期発見・早期治療を行わないと治癒が困難となってしまいます。発症から約一週間以内に治療を開始した場合、治る可能性は十分にあります。しかし一週間を過ぎてしまうとどんどん治りにくくなり、二週間を過ぎてしまうと完治は困難になってしまうという恐ろしい病気です。耳に異常を感じたらまずは耳鼻咽頭科へ足を運ぶことが大切です。