統合失調症の症状

統合失調症の陽性症状


「陽性症状」で現れやすいのは「幻覚」です。現実には存在しないものが本人には実在の物として現れてしまうのです。

「見えてしまう」だけではなく、視覚・聴覚・嗅覚・触覚でも感じます。

聴覚からの症状としては「悪口・陰口」が付きまとうこともあります。

「音楽」が聴こえ続けて鳴り止まないなどの症状が出ることもあり、止めたくても自分の意思ではどうすることもできません。

自分と外界との区別が曖昧になり、「誰かに支配されている」「誰かに操られてしまっている」という感覚を感じることも少なくありません。

考えが纏まりにくく、会話が難しくなってくることもあります。そのため、日常生活や仕事に支障が出る場合があります。

統合失調症の陰性症状


「陰性症状」の場合には、「喜怒哀楽」の現れがなくなってしまい、無気力・無表情な状態になってしまいます。

あらゆることへの興味も失ってしまい、集中力も低下し、一度に多くの物事に対処・対応することが困難になります。

効果的な治療で日常生活に復帰する人も多い


ですが、人により現れる症状は様々で「全て」が現れるわけではありません。

また、近年では効果的な薬なども開発されており、問題なく日常生活を送ることができる人も多くいます。

統合失調症の原因

現代の医学では、まだ明確な原因は解明されておりません。

「ストレス」と呼ばれるものが大きく関わりますが、原因は一つではなく、様々な事柄や経験、体験が複雑に絡み合ってしまい発症すると考えられています。

精神科へ訪れると初診の際、「家系に精神疾患者が在るか・無いか」も問われます。これは、「遺伝」の可能性も高いと考えられているためです。

そのほか脳の部位の変化や、個人の持つ「性格」も関係するとも言われています。

現在は、神経伝達物質の以上が大きく係わってきていることが少しずつ判明してきており、「ドーパミン」と「セロトニン」が統合失調症の発症と密接な関係があると考えられています。

統合失調症の予防/治療法

統合失調症の予防として挙げられている事柄には、次のようなものがあります。

1. 薬物は絶対に使用しないこと
2. 社会的・経済的に負荷がかかる環境に陥らないようにすること
3. いじめなど幼少時期のトラウマを避けること


ストレスや疲労を感じることは避けて、日頃の生活リズムを整えるようにしましょう。

また、家族や周囲の人々の統合失調症に対する理解も大切です。

統合失調症の治療法


薬を飲むことが治療のメインです。

近年では症状を抑えるのに効果的な薬も多く開発されており、主治医の指示通りにしっかり服用していれば症状が治まる人が多くいます。

ただ、統合失調症の薬は人によって合う合わないがあり、また、副作用の強いものもあります。

副作用が出た場合は主治医と相談して、薬の調節を行いましょう。

自己判断で服薬を中止するのはNG


統合失調症の症状再発や悪化を招く原因のひとつが、自己判断での服薬の中止です。

いったん症状が落ち着いたからといって、勝手に薬を飲むのをやめるのは避けましょう。

薬の量を変更する場合は、必ず医師と相談の上で行いましょう。

また、それに合わせて本人や家族へ、カウンセリング等心理的な支援、社会復帰を支援するデイケアや作業訓練なども必要に応じて行われます。