食中毒の症状

食中毒の症状は、原因や年齢、そのときの体調などによって変わってきます。 代表的な症状としては、以下が挙げられます。

激しい腹痛
下痢
激しい嘔吐
発熱
・悪寒 など


感染から症状が現れるまでの潜伏期間も、原因となる細菌やウイルスなどによって異なります。早いもので24時間以内、長いもので10日間ほどの場合もあります。

食中毒の原因

細菌性食中毒


食中毒の主な原因は、サルモネラ菌腸炎ビブリオカンピロバクターなどの細菌です。

調理器具が不衛生だったり、殺菌できていない食べ物や飲み物を摂取したりすることで発症します。

細菌が発生しやすい食材は魚介類などです。これらの加熱が十分に行われていないと殺菌ができず、食中毒を発症することがあります。

また、生肉などをまな板で切った後に、野菜や果物を同じまな板で切ると、肉についていた菌が付いてしまい食中毒になる可能性があります。

他にも、手洗いが不十分だったり、食材の保管方法が悪かったり、時間の経過した食べ物を食べることなどが食中毒を引き起こします。

ウイルス性食中毒


ウイルス性食中毒は、ウイルスが付いている食材を食べるか、人を介して発症します。冬によくみられるノロウイルスが有名です。

牡蠣をはじめとする貝類は、よく加熱したものを食べるようにします。

自然毒食中毒


毒キノコやとりかぶと、フグなどの植物性や動物性の毒を飲食することによって発症します。

寄生虫食中毒


クドアやアニサキスなどの寄生虫を食べると、食中毒を起こします。

よく知られるアニサキスは、サバやサンマ、イカなどの魚介類に寄生しています。魚介類はよく加熱するようにしましょう。生で食べる場合は、よく見てアニサキスがいないか確認しましょう。

化学性食中毒


残留農薬洗剤、漂白剤、水銀などの化学物質が原因で、食中毒を引き起こす場合があります。

化学物質の混入は、見た目でわからないことが多く、少しでも味に違和感を感じた場合は飲み込まないよう注意が必要です。

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食中毒の治療

食中毒は、基本的に水分補給をしっかりして、消化によいものを食べて様子をみます。

血便呼吸困難など、重い症状がみられる場合は、受診してください。

脱水症状がある場合は、点滴を行います。症状や経過などから細菌感染が疑われる場合は、程度や菌によっては抗菌薬を使用することがあります。

下痢止めや吐き気止めは通常用いません。毒素が抜けるのを妨げてしまうリスクがあるからです。

食中毒の予防

手洗い・加熱・消毒


卵に多いサルモネラ菌、貝に多い赤痢菌などの細菌は、熱に弱い性質を持っています。

加熱、調理器具などの消毒、手洗いにより細菌の感染を防ぐことができます。

また、食品内で細菌を繁殖させないよう、加熱殺菌や低温保存をすることが重要です。

家族がノロウイルスに感染した場合は、感染者の吐瀉物に触れないように気をつけます。タオルの共有もやめましょう。

また、トリカブトやふぐ、毒キノコなど、動植物が本来もっている有毒成分から起こる自然毒食中毒に関しては、まず摂取しない、あるいは正しい調理法により予防できます。

海外旅行での食中毒対策


海外旅行では、気候や環境、水が変わることで体調を崩しやすいものです。衛生環境も日本とは異なります。

旅先で食中毒のような症状が出たときは、症状の説明や症状に合う薬は見つけにくいです。

普段から家庭で使用している胃腸薬を持参してください。水が無くても服用できるものであれば、より便利でしょう。

また、手を清潔に保つために持ち歩き用のアルコール消毒剤をかばんに入れておきましょう。