ミルクを飲んだ後にママが気になるのが、赤ちゃんの吐き戻しですよね。
ゲップと共にミルクを吐かれてしまったり、病気が隠れている可能性もあるので、ママは赤ちゃんの様子を日頃から観察することが大切です。
今回は赤ちゃんの吐き戻しについて、原因や対処法を医師に教えていただきました。
目次
赤ちゃんの吐き戻しの原因1(胃がいっぱいの時に起こる場合)
以下の原因は、基本的には吐いたものにはミルクや食べ物が混じっています。
ゲップでミルクが逆流する
赤ちゃんは母乳や粉ミルク(以後、まとめてミルクと呼びます)を飲む際に空気を飲み込んでしまい、それをゲップやおならとして出します。ゲップをする際に一緒にミルクが逆流して吐いてしまうことがあります。これが最も多い吐き戻しの原因と考えられます。
ゲップをさせにくい原因の一つに胃軸捻転があります。赤ちゃんの胃はお腹の中で位置が定まっておらず、胃の向きに個人差があります。
向きによってはゲップが出にくく機嫌が悪く、何とかゲップが出たと思ったらミルクを一緒に吐いてしまいます。お腹が空気で張り、おならがよく出ます。
肥厚性幽門狭窄症
胃の出口である幽門の筋肉が分厚い病気を肥厚性幽門狭窄症と呼びます。生後2〜3週間から3カ月ぐらいで、ミルクを噴水のように吐きます。有名な病気ですが、1万人に5人程度と比較的珍しい病気です。
腸の病気
ミルクや食べ物が行く先である腸に病気があっても嘔吐しやすくなります。腸捻転などによる腸閉塞、ヒルシュスプルング病、腸重積、虫垂炎などです。
腸に問題がある場合、胃だけでなく、十二指腸の中身も嘔吐物に混じるため、胆汁交じりの緑色のものを吐く場合があります。
アレルギー
ミルクや食べ物の成分へのアレルギーの症状の一つとして嘔吐が起こることがあります。
赤ちゃんの吐き戻しの原因2(飲食の直後以外でも起こる場合)
以下の原因では、ミルクや食物を含まない胃液だけの嘔吐も見られます。
ウイルス性胃腸炎
ノロウイルス・ロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎でも嘔吐が増えます。下痢や発熱を伴うことが多いです。
咳込んだり何かの拍子
咳込んだり、泣きじゃくったり、大笑いしたりといった拍子に吐いてしまうこともあります。舐めていたおもちゃや指がのどの粘膜を刺激したり、口に食べ物を詰め込み過ぎて吐いてしまうこともあります。
その他
・風邪
・敗血症
・電解質異常
・アセトン血性嘔吐症(自家中毒)
・髄膜炎
・水頭症
・頭にケガをした後の頭蓋内出血
・染色体異常や遺伝子疾患などに伴う消化器系の奇形
・神経変性疾患(神経の機能が徐々に落ちていく病気)などに伴う飲み込む機能の異常
赤ちゃんの吐き戻しで病気が疑われる症状
以下の症状がある場合は小児科や救急科を受診しましょう。
・飲食直後ではないのに吐く
・勢いよく吹き出すように吐く
・吐いたものに血や緑色の粘液のようなものが混じっている
・意識がもうろうとしていたりぐったりしている
・熱、機嫌が非常に悪い
・泣き止まない
・食欲がない
・体重が増えない
・下痢
・血便
赤ちゃんの吐き戻しはいつ頃まで続く?
首が座ると、ミルクを飲んだ後にゲップをさせやすくなります。またお座りができるようになると、親が意図してゲップをさせなくても、座って遊んでいるうちにゲップが出ることが期待できるようになります。
また、生後3か月〜1年頃には胃の位置が安定し、吐き戻しが少なくなる傾向があるとされています。
赤ちゃんの吐き戻しの対処法
吐いたものを拭き取り、赤ちゃんの様子をよく観察します。
機嫌が良く泣いてもいなければ、欲しそうな様子があれば再度ミルクをあげてもよいでしょう。
最後に医師から一言
首が座らない赤ちゃんにゲップをさせるのは難しいですが、体を縦にして5分ほど支えておくか、布団などで傾斜を作り、上体をあげてもたれさせるのも良いでしょう。
体重が増えているか、機嫌が良いかを観察しましょう。
(監修:Doctors Me 医師)