新型コロナウイルス感染症(covid-19)によって、リモートワーク(在宅勤務)が急激に浸透しました。「満員電車に乗らなくていい」「家族と過ごす時間が増えた」などと評価する声も聞こえる一方、リモートワークによって増えている不調も。
今回は、デスクワークで酷使されている目の不快症状について「気づいて!涙液トラブル啓発委員会」(Supported by 参天製薬)の実態調査結果とともにお伝えします。
コロナ禍でリモート急増!合わせて目の症状も
眼科医師で構成された「気づいて!涙液トラブル啓発委員会」(Supported by 参天製薬)が6月に実施した調査(1000人を対象)によると、新型コロナによる緊急事態宣言中のリモートワーク実施状況は、新型コロナ流行前と比べると約3倍に増えていたそうです。
また、リモートワーク経験者にリモートワーク実施前と比較した体調の変化を聞くと、
・目の疲れ
・目の乾き
・頭痛
・腰痛
・目の異物感
などの症状が起きた(増えた)ことが挙げられました。
これらの結果を見ると、目の症状が増加していることが分かります。
ドライアイの症状、ホントのところは?
ドライアイというと、その名称が示すとおり「目が乾く」症状そのものだと思っている人も多いのではないでしょうか。
実は、「ドライアイ=涙の量もしくは性質に問題が起きている状態」を示します。
ドライアイの主な症状は目の乾きですが、これは、本来瞳を均一に覆っているはずの涙の量が減り、蒸発した部分からエアコンの風などの外部刺激が直接瞳に当たってしまうことが原因です。
また、脂質やタンパク質成分など、涙を構成する成分が変化することで瞳の表面に留まらずに乾きやすくなってしまうケースもあります。これは涙が乾いて角膜が露出するまでの時間が短くなるため、結果的に涙量の減少と同様の症状を引き起こすことになります。
角膜が露出した部分は、パソコンの光やコンタクトレンズ、アイメイクなどの刺激を直接受けることになり、目のダメージが増加。その結果、目が乾くことだけではなく、疲れ目(眼精疲労)、目の充血や異物感、目のかすみといった目のトラブルを招くことになってしまうのです。
損失は49万円!?ドライアイは「慢性疾患」
ドライアイは涙の質量にトラブルが起きている状態です。
そのため、目の乾きという一過性の症状としてではなく、眼科医の診断・治療が必要な慢性的疾患の認識が必要になることも。
ドライアイにもさまざまなタイプがあり、別の病気が原因となっている可能性もあります。目に違和感を感じたら、眼科を受診しましょう。
ドライアイで年49万円分の生産性低下!?
オフィスワーカーを対象にした調査で、ドライアイ症状のある人の労働生産性に対する影響を見たところ、1人当たり約3日間/年欠勤(日本人の平均勤務時間換算)と同等の時間損失があったとされています。
また、調査対象企業(参天製薬)における1人当たりの年間売上金額に換算すると、年間生産性低下額は約48万7千円に上るという結果が出たそうです。ドライアイの症状を放置しないことが大切ですね。
オフィスワーカーを対象にした疫学調査「Osaka Study」 ドライアイがもたらす労働生産性の低下
ドライアイから目を守るケア方法
定期的に目を休ませる時間をつくることがポイントです。
・休憩と食事の時間をしっかり確保する
・パソコン作業をしているときは、1時間おきに10分程度目を休める
・「疲れた」と思ったら蒸しタオルを当てて目を温めたり、目薬を差す
・眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っているか確認する
などの方法を取り入れてみるのも効果があるとされています。
違和感を感じたらしっかり対処しよう
目の乾き、というとそれほど深刻に捉えずに放置してしまう人も少なくありません。
しかし、症状が悪化することで目の表面に傷がついてしまうこともあります。日頃のケアを心がけ、症状がひどい場合は早めに受診しましょう。
男女 1000 人に聞いた!コロナ禍における目の不調に関する実態調査