パーソナリティー障害/人格障害の症状

パーソナリティー障害の症状は、その人の人格から生じる困難のために、スムーズな日常生活が送れなくなってしまう精神疾患の一つです。
本人は、自分に問題があると気がついていないことが多いため、トラブルが生じて初めて問題に気づく場合がおおいようです。パーソナリティー障害には、いくつかのタイプがあり症状が異なります。世界保健機構の基準では8種類に分類することができます。特徴としては、突然発症するのではなく、発達期からその兆候がみられるということ。人気、感情、衝動のコントロール、対人関係といった人格機能の広い領域に障害が及んでいること。その兆候が家庭や職場、学校などのさまざまな場面で見受けられることがあります。

アメリカの研究では、人口の約15%がパーソナリティー障害であるとされていますが、実際に医療機関を受診しているのは、その中でも他の精神障害を併発している場合です。中でも特に若い女性に多い境界性パーソナリティー障害は、しばしば自殺未遂や自傷行為を行うことがあり、これにより医療機関の受診につながることがあります。基本的には病気ではなく障害であると捉えられています。

パーソナリティー障害/人格障害の原因

パーソナリティー障害の原因は、明らかになっていません。
遺伝的原因や発達期の環境などが原因だと考えられ、現在、解明がすすめられているところです。遺伝的な要因としては、家族内に同じパーソナリティー障害の人がいるとパーソナリティー障害を発症する確率は、そうではないひとに比べて5倍程度になることから関連があると思われます。また、脳の発達にも原因があると思われます。その人が生まれ持った気質、幼児期・成長期に受けた何らかの影響・家庭環境・社会環境やつらい体験、遺伝的な要因、思春期の体験などざまざまな原因が、その要因となっていることも考えられています。

パーソナリティー障害の原因は、本人一人だけの努力で改善することは難しく、その生活環境やその人をとりまく家族などを変えていくことも大切であり、その患者をとりまく環境を含めて原因となり改善に向かう手掛かりとなると考えられる。

パーソナリティー障害/人格障害の予防/治療法

パーソナリティー障害の予防は、その原因が明らかになっておらず、また、その要因が人それぞれによって異なるため、予防することはできません。
本人には、パーソナリティー障害の自覚はないため、対人関係のトラブルなどによってその症状が疑われた場合は、家族など周りの人間が専門の医療機関の受診を勧めることが必要です。重大なトラブルを起こしてしまう前に、適切な治療を行うことが重要です。特に自殺や自傷行為を起こして命にかかわるような症状がある場合は、早急に対処が必要です。

症状によって専門医や臨床心理などの専門家のカウンセリングや投薬などが症状によっておこなわれます。また、パーソナリティー障害を起こした本人の周りの環境がそのものが、大きなその大きな要因をしめると考えられるため、社会環境や生活環境、家族関係の改善が、パーソナリティー障害の予防、治療につながっていくものと思われます。