認知症の症状

認知症は、記憶、理解や判断力、実行力などに障害が起き、現実を正しく認識できなくなってきます。
  
その結果、性格や環境、素質、人間関係などが絡み合い、日常生活で困難が生じてきます。行動や心理状態だけでなく、身体的にも症状が出てきます。自信を失い意欲が無くなってしまったり、いろいろなことが面倒になります。

ストレスが溜まり、ものを盗まれたなどの妄想が起きたり、暴言や暴力行為、徘徊などをする場合もあります。症状のすべてが、すべての人に同じように起きるわけではありません。

認知症の原因

認知症の原因は、変性疾患と脳血管性認知症の2つに大きく分けられます。
  
変性疾患は、いろいろな原因で脳の神経細胞が死んでしまうことで起きます。アルツハイマー病、前頭・側頭型認知症、びまん性レビー小体病などです。近年増えているアルツハイマー病の場合は、神経細胞の表面にできたタンパク質のかたまりが情報伝達の働きを妨げ引き起こされます。
  
脳血管性認知症は、脳梗塞、くも膜下出血、脳動脈硬化などが原因で脳の血管が詰まってしまい血液が流れなくなり栄養も届かなくなることで、神経細胞の働きが鈍くなったり死んでしまうことによって起こります。
  
その他、脳外傷、薬物、脳腫瘍などが、認知症のような症状を引き起こす場合もあります。

認知症の予防

認知症性疾患、特に内科性疾患を原因とする認知症にはその原因を特定し治療することで発病を防ぐことができます。

甲状腺機能障害、ビタミン欠乏症、アルコール性障害や肝障害などがある場合、しっかりと継続して治療を行うことが大切です。

また、髄膜炎などの早期治療を行うことで脳へ障害が及ぶことを防ぐことができます。

喫煙や飲酒を控え、生活習慣に気をつけることも大切です。

脳梗塞などを起こさないよう、動脈硬化や高血圧があれば、はやめに検査し、適切な治療を継続することが必要になります。

本人や家族が物忘れがひどくなったという自覚がでてきたなら、専門医の診断を受けたり、自治体の窓口に相談したりして適切な治療を受けることが大切です。