潰瘍性大腸炎の症状

潰瘍性大腸炎には、症状が強く出る「活動期」と、症状が出ない「寛解期」があります。活動期には、主に以下の症状が出ます。

下痢


下血を伴う下痢と伴わない下痢があります。柔らかい便が何度も出たり、血便が出たりすることもあります。

腹痛


痙攣性であったり、持続的に続いたりするケースなど人によってさまざまです。

貧血


出血によって貧血が起き、疲れやすくなります。息切れもしやすくなります。

だるさ


消化や吸収が不十分で栄養不足になり、全身にだるさがでます。

その他


発熱、皮膚や関節、目などに症状が出ることもあります。

潰瘍性大腸炎の原因

潰瘍性大腸炎の原因ははっきりと解明されてはいませんが、以下が関係していると考えられています。

食生活の乱れ


現代人の偏った食生活が、潰瘍性大腸炎の発症と関わっている可能性が示唆されています。

質の悪い食事やストレスなどにより、腸内細菌に対する過剰な反応を起こすと、大腸の粘膜を攻撃するのではないかと考えられています。

遺伝的な要因


潰瘍性大腸炎の発症は家族内で見られることもあるため、何らかの遺伝子が発症に関与していると考えられています。

遺伝的要因からの発症についても研究が進められていますが、遺伝子因子が発症の原因であると言う明確な報告は得られてはいません。

その他


・感染
・アレルギー
・血管の炎症
・自律神経の障害
・心因性ストレス など

潰瘍性大腸炎の治療

薬物療法


内服薬、点滴などの薬物療法を主に行っていきます。





































名称
対象患者
薬の特徴
5-アミノサリチル酸製剤 軽症〜中等度 内服、直腸から投与
ステロイド剤 中等度〜重症 内服、点滴、直腸から投与
免疫調整薬 ステロイドを中止すると悪化する人 内服など
抗TNFα抗体製剤 従来の治療で抑えられない人 注射
血球性分除去療法 異常な白血球を取り除く場合 透析のような機械を使う



外科手術


薬物療法をしても効果がない場合や重症例(大量出血や腸の穿孔)では、外科手術が行われます。

潰瘍性大腸炎の予防

潰瘍性大腸炎の原因は解明されていないため、予防法も確立されていないのが現状です。

現代人の食生活の変化とともに患者数も増加していることから、食生活との関連性が指摘されています。肉ばかり食べるのではなく、食物繊維を豊富に含んだ食品や、腸に負担をかけないバランスの取れた食生活を心掛けることが重要です。